「鼓動」2010年5月5日
少年行

五陵の年少 金市(きんし)の東
銀鞍 白馬 春風を度(わた)る
落花踏み尽して 何処にか遊ぶ
笑って入る 胡姫 酒肆(しゅし)の中に
「少年行」と題した七言絶句。
長安の若者たちは、銀の鞍の白馬にまたがって春風の中を闊歩する。花びらを踏んでどこへゆくかと思えば、碧眼のペルシャ系の美女たちがいる酒場ではないか。にぎやかに笑いながら繰りこんでゆく。
胡姫(こき)とは、異民族の女性の意味だろう。当時長安は、世界の大都会。今で言うなら東京、パリ、ニューヨーク、そして上海。
世界の国々から集まる美女たちのいるところに、あだな若者たちが群れ集うのは今も昔も変わらない。(IK)