「鼓動」2010年6月18日
電車で寝る男(1)
東京都内を走る電車に乗って、万一、空席を見つけることができれば、その日はラッキーだとおもうようにしている。それも片腕しか圧迫されない端の席であれば、本当に最高である。我が町を走るローカル線と比べては失礼だが、さすがに幹線を走る電車、立って当たり前、始発駅でも無ければ、座ることは無理に近い。昔から電車に乗る時は他人の迷惑にならないように、静かに乗りなさいと怒られたものだ。特に喋り声、ヘッドフォンの音漏れは絶対駄目と教えられた世代である。
仕方なく、読書にふけることもあるが、持ち合わせの本が無ければ、やることもなく、偶然にも座ることができれば、唯一の楽しみが、数十分の短い睡眠であった。
そのため、今でも習慣なのか、電車の中で座ってしまうと、ついつい癖で眠くなってしまう。
それはそうと、座れれば、しばし睡眠できるのにとおもいつつ、眼前で気持ちよく眠る学生やOLを羨ましくおもいながら、立つしかない場合は、車両広告を見るようにしている。というよりも、実際には、立ち位置と視線の向こうには、自然と電車の車両広告が目に飛び込んでくると表現したほうが正しいかもしれない。(K)
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