「鼓動」2010年7月15日
遺失物
帰宅してようやく忘れ物に気がついた。その日の夕刻友人たちとの集まりの前に、「わしたショップ」に寄って買った琉球泡盛の瓶。さて、いったい何処に置き忘れてきたのだろう。福岡市天神には、沖縄県の「わしたショップ」や青森、秋田、岩手の東北各県の「みちのくプラザ」などのアンテナショップが出店している。
地域特産の品物を求めて勤務の帰り時折立ち寄って買い物をする。
秋田のアカシヤの蜂蜜や岩手の三陸産ワカメなどは家庭でも愛用している。
琉球泡盛は、「わしたショップ」の奥の陳列棚に、たくさん並んだ銘柄の一本を衝動買いしたものである。
度数30度の泡盛の瓶には、昔ながらの沖縄風のラベルが貼ってあった。
きっと南国のヒリヒリするような強い酒なのだろう。瓶を手に取りながら、オンザロックで飲むとしばし陶然とするような心待ちまで想像した。
が、集まりの席で酔っ払ってしまい、帰宅する電車で乗り過ごし、あわてて飛び降りたのがいけなかったのかもしれない。
翌朝、ダメモトと思いながら、西鉄電車に問い合わせると、果たして保管されていた。
たかが泡盛の瓶1本だが、後日再び手にしたときはうれしかった。
こういう体験をすると、しみじみ日本というのはいい国だと実感する。
暑かったその日の夕べ、青みを帯びた琉球ガラスの器に氷を浮かべて飲む泡盛は格別にうまかった。(HR)
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