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麻生太郎さん 『MANGA』を語る

世界中から高い評価を受けている日本のポップカルチャーの代表格『まんが』について、麻生太郎氏にインタビューを行いました。麻生太郎氏は、日本が誇る若者文化の発信力を高めることの重要性を「まんが」を通して発言されています。

「日本の『まんが』が、なぜ世界の『MANGA』へ発展したのか?」、麻生太郎氏の深い見識から興味深いお話を伺うことができました。
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世界に広がる『MANGA』文化

asianbeat(以下ab):2008年に「日韓まんがフェスティバル」(主催:日韓海峡沿岸知事交流会議、北九州市、アジアンビート)を北九州市で開催しました。デジタルまんがの作品コンテストでは、韓国の若者、パク・ホクンさんの作品が最も優秀な作品に贈られる外務大臣賞(当時:麻生氏は外務大臣)に選ばれました。韓国のまんがも日本のまんがのようにストーリー性が強く、面白くなっているようです。
麻生氏:言うようにストーリー性だね。日本のまんがは、主人公が成長していくことが特徴のひとつじゃないかな。例えば、課長島耕作が専務になったり。
それに、日本と他の国が違うのはまんがに歴史があったこと。高山寺の鳥獣戯画や源氏物語の絵巻物語のように、昔から日本にはビジュアルに物を作る文化があった。
「いい歳してまんがなんて」と言われるけど、最近まで大人向きのまんが出てきていなかっただけで、弘兼憲史氏らが大人に読ませるまんがを描き始めたことで、読者層が大人にも広がったんだと思う。
ab:大人向きのまんがは、「劇画」辺りから派生したと思います。梶原一騎氏のように原作者が本を書き、それを漫画家が絵にするスタイルだったのが、いつの間にか漫画家がストーリーも組み立てるようになりました。
麻生氏:小池一夫氏の影響もあると思う。小池氏は若い漫画家をどんどん伸ばして、育てていったのがすごいと思うね。
それから日本のまんがは、主人公が普通の人だということ。海外では題材にしないような、普通の話をまんがにしている。普通の話を題材にするのはものすごいイマジネーションだと思うね。それが社会で広く読まれているということは、漫画家の時代感覚が合っているということ。
そして、日本がすごいのは、自由なこと。『こちら葛飾区亀有公園前派出所』のようにおまわりさんをおちょくったまんがなんて、海外では成り立ちませんよ。この国ではゲラゲラ笑って読むけど、本当におまわりさんを馬鹿にしているわけではないからね。漫画家が自由に描けるという社会的風潮の結果としてまんがの躍進がある。
手塚治虫氏の『鉄腕アトム』、藤子・F・不二雄氏の『ドラえもん』、横山光輝氏の『鉄人28号』、こういったまんがのロボットは、いずれも人間が困った時に助けてくれる。このコンセプトを日本人に持たせたまんがの功績は大きい。ヨーロッパではロボットは「電脳」。電気の脳が最後は人間を支配するというイメージが強くて、ヨーロッパ人にとっては何となく薄気味悪いものだった。日本では、ロボットは助けてくれるという概念があるから、産業ロボットが出現したり、ロボットに名前を付けて可愛がったりするところもある。モノに対して感情移入するのは日本人の面白いところだね。
ab:よくアジアの若者と話をすると日本のものを色々と知りたがっていますね。例えば、ファッションも今日本でどんな服がはやっているんだ?とか。どんなまんがが次に人気が出てくるんだ?とか。彼らは、すごく興味を持って聞いてきますし、同時にインターネットで色々なものがダウンロードできる時代になってきました。私たちより今彼らの方が詳しくなっていたりしますが、日本が供給するエンターテインメントに対して、非常に興味を持ってくれて吸収したがっている時代に来ているのですよね。
asotaromanga2.jpg麻生氏:アジアのいろんな国々にも歌がうまい歌手はいっぱいいるね。日本という国は、例えば2~3人で組んで、ファッションとして、踊りとして、アクションとして成していることがあるよね。歌が下手だから踊りでカバーしているみたいにしか、見た目では見えないけれど、そんなところが、いいって思ったりするから、面白いよね。
さらに、日本の面白いところは、いいとこ取りしてつくるところ。輸入して磨きあげて行く。そうやって残したものが日本文化として定着していく。この国が大きく栄えた理由だと思う。まんがだって、オリジナルは鳥獣戯画にさかのぼるわけだし、もっと堂々と打ち出したらいいのにね。音楽だって、ファッションだって、日本人が生み出しているアイデアがすごいものであることに日本人が気づいていないだけじゃないかな。
ab:海外へ文化を発信する力が日本にあるかが問題ですね。
麻生氏:そう。それに発信できるものがあるのに、それに気がつかないと発信しようともしないしね。
ab:敏感なアジアの若者は、日本から発信されなくても自分で探して見つけていますね。
麻生氏:そう!敏感な人たちは、自分で情報を持っていくものだからね。

まだまだ、お話を伺いたかったのですが、時間になってしまいました。本日は、色々多岐に渡るお話を聞かせていただき、楽しませていただきました。本当にありがとうござました。
※聞き手 アジア・ユース・カルチャー・センター(AYCC)坂田隆史センター長(当時)
※本記事は、2008年1月に取材がおこなわれました。
【(財)福岡県国際交流センター 機関誌「こくさいひろば」 2008年Spring号同時掲載】
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