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総力取材 「博多献上PORTERのすべて」  ~第一章(1/2)

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創意に確信を重ねた、博多織の本質をズバリ言い切る博多献上PORTER。

きれいな「手」が価値を織り込んでいく
絹糸が滝のように、せせらぎのように縦横に流れていた。
シルクの鈍い光沢は、滝壺に漂う飛沫のようだ。けたたましいはずのモーター音なのに、自然界にある「ゆらぎ」を感じる。

西村織物株式会社の織場にはじめて足を入れた瞬間、何だか幻想的な、不思議な雰囲気に戸惑う人が多いかもしれない。


ともあれ、吉田カバンのトップクリエイターにインスピレーションを与えた博多献上は、こんな空間から織り出されている。

「みなさん(職人さんのこと)、手がきれいでしょう?」。

同社敷地内にある博多織献上館の館長であり、同社企画部長でもある西村照子さんが、誇らしそうに声を弾ませた。
「手がきれい」というのは、丁寧で繊細かつ滞りなく作業していること。

職人さんを誉める最上級の賛辞である。




博多織の工程は、西村織物では機械織りの場合
「意匠」(デザイン)、「糸繰り」(糸の準備)、「整経」(たて糸の準備)、「仕掛け」(機械のセッティング)、「製繊」(機械織り)、「仕上げ」(採集検品もかねた装飾部門)と分かれる。

それぞれの工程で、職人さんが「目」と「手」を使って全神経を集中させているわけだ。

職場には圧倒的に女性が多い。
たおやかに手を動かすと、あたかも弦楽器をつまびくよう。

モーターで駆動する工場なのに瑞々しいのは、機械ではなく人を中心にリズムが刻まれているから「ゆらぎ」のような安心感を感じさせるのかもしれない。
織り機には、長い縦糸が数千本も通されていた。撚り合わされて太くされた「緯」糸(よこいと)を筬(おさ)で力強く打ち込む。

縦糸は時間だとすると、横糸は現在の織場だ。

歴史や先人の思いを受け止めて、真摯に作業に向かう。
博多織は高価だ、という声も聞こえるが、この現場から生まれた生地には、それ以上の価値が織り込まれていることは、誰にでも分かるだろう。
博多織の歴史は古く、深い。

ほかの織物に比べて堅牢で、帯にするとキュッキュッという「絹鳴り」する小気味よい、張りがある。
縦糸組織の生地は単純にして精緻。意匠にも磨きをかけ、創意に革新を重ねて誕生した。

発祥は遠く鎌倉時代にさかのぼり、あの「博多祇園山笠」のはじまりと同じくする。
博多織始祖・満田弥三右衛門が、絹織物の本場宋(中国)から技術を導入。ただ模倣しただけではない。この時「独鈷(どっこ)」と「華皿(はなざら)」を図案化し、後の「博多献上」につながるオリジナルデザインも考案した。

江戸時代になると、筑前黒田藩主が将軍家に博多織の反物や帯を献上。また人気歌舞伎役者市川団十郎の舞台衣装に採用されるに及び、「五色献上」「博多献上」「博多織」は揺るぎないバリューを持つ全国ブランドになる。

博多織は実用的でデザイン性が高く、本物志向で自己主張したいトンガった人たちに愛用されていた。
和装する機会が減った現在では、伝統工芸としてカテゴライズされてはいるが、今でも創意と革新の気構えは西村織物をはじめ織元では失われていない。博多織は、現在も進化しているのだ。
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