独鈷は、護摩などで用いられる棒状の法具で、両方に槍のような穂がついている。もともとは
インド神話の神さまの武器で、すべての魔を滅ぼす強烈な破壊力を持つ。
仏の教えが、煩悩を滅ぼすことを例えて、法具として今に伝わったものだ。
また華皿は法要のときに散布される花を盛る皿のことで、これも
魔や煩悩を滅ぼすために周囲を浄化する法具である。
「両子持ち」は「
孝行縞」、「中子持ち」は「
親子縞」と呼ばれ、
親子の親愛の情を表し「家内安全」「子孫繁栄」といった福を招く願いが込められている。
献上模様には、マジカルなパワーで身を守るという側面もあるのだ。
西村社長は繰り返し「
すべての紋様には意味がある」とおっしゃっていた。
献上柄のような紋様は、中国の少数民族の衣服などでも見られる。基本的には「
悪いものからの守護」という意味では、同じだろう。
献上柄は、江戸時代に筑前藩主黒田氏が江戸幕府に献上したことがいわれである。
が、柄そのものは、鎌倉時代に博多織が誕生してから連綿と続く、いや博多織の元になった広東織、その元となった織物、さらに…、と千年を軽くまたいでしまうほどの伝統がある。
紋様のチカラが強いから、想像もつかないほどの長い間受け継がれたのか? それとも
伝統が重ねられたからこそ、チカラが増したのか? 判然とはしないが、意味が分からなくても
何かを感じさせるパワーを献上柄が持っているのは間違いない。
そして、意味を知れば、そのチカラは威力を増すものだ。