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[アジアンビートオリジナル ポップカルチャーコラム vol.2] 

世界ってマンガっぽくない?


木版画 神奈川沖浪裏(富嶽三十六景) 芸艸堂版
「VOGUE」7月号は、マンガ特集である。

その中で、日本で「マンガ」が圧倒的に発展したのは何故か?の答えが、実に、あっさりと披露されていた。回答者は、世界的な評価を得ているポップアーティスト村上隆さん。
答えは、こうだ。

「日本人は、絵がうまいから」。

なるほど!

絵がうまいからこそ生まれる大量コンテンツ消費。

日本人は、手先が器用で、概して絵がうまい。

絵がうまいから、いろいろなところで見せたくなる。また。それを見る人がたくさんいる。そうやって、また、絵がうまいヒトは、次の作品をつくって見せようとする。そして、また、それを見ようとする人達がどんどんと増殖していく。

そうだ。そうなのだ。

「絵がうまい」特性を起点にしたコンテンツ生産とそれを消費するスピードが半端ないのが日本なのである。「マンガ」という市場において日本市場ほど過酷な競争が繰り広げられる市場はない。そこで生き残った物が世界に通用するコンテンツになるのは当たり前なのだ。フェアで過酷な競争から作られるコンテンツは強力である。


『BRUTUS (ブルータス)』2008年12/15号には、YouTubeの利用者は
日本には、1980万人居て、月間のページビューは約15億で、月間1人あたりの利用時間は平均1時間14分13秒

アメリカの月間1人あたりの利用時間は平均51分なので、日本は世界一のYouTube大国だと記載されている。この過去から営々と継がれている日本の大量コンテンツ消費環境が日本のサブカルチャーを鍛えて、磨いている。





日本随一のアニメ監督宮崎駿さんもスタジオジブリが出している「熱風」2009年1月号の中で、こんなことを言っている。

「自分達のアニメーションが成り立ったのは日本の人口が一億を超えたからなんです。
つまり日本の国内でペイラインに達することができる可能性を持つようになったからですから、国際化というのはボーナスみたいなもので・・・」と。ジブリとて、同じ。

一億人を越える大量コンテンツ消費環境の勝者であるからこそ、世界標準になったのだ。

浮世×複雑=MANGA。

「日本人は絵がうまい」と「漫画」が合体したのは、江戸時代の「北斎漫画」である。


江戸後期の天才絵師で「富嶽三十六景」を始めとするその作品を後世に遺している葛飾北斎。彼のスケッチ画集「北斎漫画」は、今日のマンガのようなものではなく、漫(そぞろ)画。

大した理由もなく、自由気ままに描いた絵という意味で北斎自身が名付けたものだそうだ。
平成の現在、浮世絵師・葛飾北斎が発した「漫画」は、「マンガ」となって、アジアや世界を席捲している。


北斎漫画 芸艸堂刊

富嶽百景 芸艸堂刊
「鋼の錬金術師」・「NARUTO」など、世界で受け入れられ、大きな影響を与えている日本のマンガの特長は、いわゆる「マンガっぽいもの」である。

登場人物である女の子は、目が大きくキラキラ輝いて、脚はシュールなほど長く、ウェストはキュッと絞られている。男の子も同じ。

まるでマンガの世界から抜け出してきたような主人公達のお話が受け入れられる。
「浮世=非現実」こそが、「マンガ」なのである。

そして、その浮世の世界で、非現実的な主人公達が、物語と共に成長していくという複雑なストーリーを構成する。非現実的な主人公達が、凄いリアルな心情を持って物語を展開していく。

アメリカンコミックのような勧善懲悪のストーリーでない。

浮世絵を系譜とする「日本のマンガ」は、とても「非現実=マンガっぽい」けど、そのストーリーには、何かしら・・・はかなくて・・・辛くて・・・でも、勇気が出てくる。そんな、世界に通じる不思議な力を擁しているのが、クールジャパンの代表「日本のマンガ」なのである。



左絵:木版画 凱風快晴 (富嶽三十六景) 芸艸堂版



「浮世」とは、「苦しい」「辛い」を意味する「憂き」が本来のかたちで、平安時代には、「つらいことが多い世の中」を言ったらしい。それが、江戸時代に入り「辛くはかない世の中であれば浮かれて暮らそう」という、現世を肯定して生きる享楽的世界観が生まれ、その流れの中で「浮世絵」や「漫画」が現れたのだ。

非現実に走る世界へのアンチテーゼ。

世界を巡るお金のニュースや戦争の実態などなどを耳にする度に、「マンガっぽいなぁ」と思う。
現実が、非現実に近づいてきているのが、現世である。
こういう浮世に、必要なのは、現実に沸き上がってくるような力である。それがなくては、この世は良くならない。

だから、アメリカを代表する映画俳優クリントイーストウッドは、映画を作るのだと思う。ハリウッドらしい非現実的な勧善懲悪の刑事もの「ダーティーハリー」シリーズで一斉を風靡した彼の監督作品は、実に、趣深い。『許されざる者』『ミリオンダラー・ベイビー』『硫黄島からの手紙』『グラントリノ』、、、アカデミー賞候補となる一連の作品群には、本当の「浮世」になりつつある世界へのアンチテーゼを読み取ることができる。
日本のマンガも同じである。日本の政治家の誰よりも、世界に対して雄弁である。

血税117億円を使って東京に「国立メディア芸術総合センター=漫画の殿堂」を作るという経済対策が実行されるという。
国内に作る大きな箱物に、日本のマンガ文化を納めても、大きな発信力は持たないだろう。

どうせやるなら、ラスベガスに江戸城のような「マンガのデンドー」を作ってみてはどうだろうか。そのカジノでは、日本のアニメの主人公達に扮したディーラー達が、世界各国から集まるお金持ち達を楽しませ、ギャンブルに興じる。

そして、そのお金で遊ぶ虚しい物語も共有し、明日へ生きる糧や夢を与える。これぞ、クールジャパンではないだろうか。


「マンガ」は、外交の鍵である。
日本の「マンガの主人公」のような格好良くて複雑な心情のヒーローを、世界は、待っている。

情報・画像提供

日本で唯一の手摺木版和装本出版社芸艸堂
住所: 京都府京都市中京区寺町通二条南入妙満寺前町459番地
電話: 075(231)3613


ユニクロとのコラボレーションTシャツ企画も行っている。
UT×HOKUSAI
※記載の記事・画像などの無断転載・転用を禁止します。

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中村修治(へそ社長)
有限会社ペーパーカンパニー、株式会社キナックスホールディングスの代表取締役。
資本主義の手先である広告代理店のブレーンとして暗躍する一方、多くの企業の事業立ち上げにも参画する滋賀県出身の戦略プランナーであり、コンセプターである。

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