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[アジアンビートオリジナル ポップカルチャーコラム vol.6] 

歴女は“ブーム”だったのか?

同級生に「好きなテレビ番組は?」と聞かれ、「おんな太閤記」と答え、「おかか」(豊臣秀吉の妻・北政所のこと)こと佐久間良子に萌えていた渋い小学4年生だったボクは、今も歴史好きを自称してはばからない。だが、広言もしていなかった。

例えば、合コン(あまり行ったことはないが)なんかで「歴史好きです!」などと言うと、イタイ空気になったし。最初に就職した会社で真面目っプリをアピールしようと「趣味:史跡巡り」と書いたら、入社前に「変なヤツ」のレッテルを貼られていた。

ようするに、「歴史」はずっとキャッチーなホビーではなかった。
 

ところが2009年上半期、テレビや新聞、ネットなどで「歴女」なる言葉が飛び交った。
歴女とは、歴史上の人物、主に戦国時代の武将や幕末の志士などに「萌え」た女子たちのこと

真田幸村大谷吉継伊達政宗に今期大河ドラマの主人公・直江兼続ら(どんな人たちかは各自調査でお願いします)について語り合い、古戦場跡や城、資料館などに出かけていく。
武将の家紋グッズを身にまとい、戦国BASARAのキャラクターグッズを購入しながらも、意外に広くて深い知識を持っていたりする。(などなどwikipediaより抜粋)というような女子たちである。

「歴女市場は700億円」(産經新聞2009年8月18日記事)。

アジアンビートでも「戦国BASARA米の特需」や「iPhone3G/3GS用の戦国武将ケース」などをご紹介させていただいた。


歴女は、彼女たちが従来の歴史観光とかモノの消費などにプラスオンしただけではなく、新しい経済活動を掘り起こしたという意味においては、2009年のエポックかもしれない。
歴女に関しては「ゲームやアニメのキャラに萌えているだけで、史実を勉強しない」などという正統派(?)の歴史ファンから批判もあるのも事実。
一体、女性の中で歴史ブームが起きているのか?それとも、歴史好きな女子たちを祭り上げたブームなのか? 
ちょっと判断が難しい状況だ。

安易なブームで間違った戦国武将像が一人歩きするのを危惧する生真面目な方もいれば、イケメン武将がとっかかりでも、一人でも多くの人が歴史を好きになってくれればいいという、別の意味で生真面目な人もおられる。

源義経こそが史上最初の人気者

源義経はやっぱり美少年(下関市・壇ノ浦の源義経像)
司馬遼太郎氏は、小説「義経」で、源義経こそが史上最初の人気者であった。というようなことを書いておられた。

美少年で、天才的な指揮官であり、八双飛びのような超人的なチカラを持つ。
活躍は華々しいが、その最期は悲劇的。「判官びいき」という言葉ができたくらい、人々の同情を集めた人物は、それ以前の歴史には見られない。そんな趣旨の文章だと記憶している。


大河ドラマなどに登場する義経は、決まってイケメンだ。
だが、肖像画や公式文書に残されている義経の風貌は、決して美形とはいいがたい。
多少の美化や誇張、義経の場合は没してから時間がかなり経っているため伝説も付け加えられ語り継がれてきた義経像は、決して「正史のそれ」ではない。
いわゆる歴女たちが愛する戦国武将は、真田幸村大谷吉継石田三成伊達政宗といった名前が挙げられる。
「戦国BASARA」で描かれたキャラクターは、語り継がれた義経像とどこかオーバーラップする。
 
もしかすると、義経の物語を語り継いだのは鎌倉時代の「歴女」だったのかもしれず、だとすると後世の人たちに芳醇な物語を残すという意味では、歴女たちの「萌え」こそが、もっとも大切なことかもしれない。

多少史実と違っていても、その人物の記録や記憶が風化してしまうよりかはずっといい。

福岡でも、「武将萌え」

というわけで、福岡に関連する人物で、歴女たちにもっと語ってほしい、と個人的に願う人物を挙げておきたい。
近ごろは、初代柳川藩主の立花宗茂公が歴女に人気らしい。

先だって、これまた歴女の支持率が高い真田幸村立花宗茂が、三柱神社(柳川市)の秋季大祭で対面した。
立花宗茂は、もっと地元(柳川市や福岡市近辺で活躍)での知名度が高くなってほしい。



これから挙げる数名は、歴女の萌えの対象になっているかもしれないが、その時はご容赦を。

また、歴女(戦国武将をターゲットにした腐女子という狭義の意味もあるため)とは呼ばれたくない「歴史好き女子」の方もたくさんおられるようだが、この稿ではあえて、区別しなかったことも、ここにお断りし、気分を害された方にはおわびします。
1)高橋紹運
 先にふれた立花宗茂の実父。戦国末期、岩屋城(太宰府市四王寺山)に 800名の兵力で立てこもり、半月間2万の島津軍をはねつけた壮絶な戦いっぷりとその涼やかな人柄は男惚れする。四王寺山には紹運の墓と「嗚呼壮烈岩屋城址」と記された石碑も残っているので、古戦場マニア城址マニア墓マイラーにもぴったり。


「かばねをば岩屋の苔に埋みてぞ雲居の空に名をとどむべき」高橋紹運の墓と岩屋城址(太宰府市・四王寺山中腹)

柳川藩立花家が今も経営する料亭「御花」。宗茂公は見ていないが(柳川市)
2)後藤又兵衛
 関ヶ原の合戦など武功は数知れず「黒田八虎」「黒田二十四騎」に数えられた勇将。主君の黒田長政とそりが合わず出奔し、大坂の陣へ参戦した。司馬遼太郎氏は、歴女大好きな真田幸村と並べ「軍師二人」という小説を著した。嘉麻市に又兵衛が居住した益富城址が残る。


3)菅原道真
 天神様(学問の神様)として祀られている菅原道真公。人間・管公は、都から大宰府まで、暗殺者などと戦いながらの長く苦しい旅を強いられた。福岡県各地には、このような伝説が各地に残る。もしかすると、義経的な「人気者」だった可能性も高い。
 詳しくは、ボクがまとめた「天神さまのより道〜福岡の天神伝説〜」(九州国立博物館振興財団HP)をご参照ください。


菅原道真公ご一行の危難を救ったことで創建された北山神社(福岡市早良区板屋)
4)少弐資能(すけよし)経資(つねすけ)父子
 鎌倉時代、北部九州に根を張った鎌倉の有力な御家人。元寇のときに奮戦。少弐氏は、中世の九州においては、かなりのキーパーソン。太宰府市の水城や、今津浜・西新に残る元寇防塁跡などが関連史跡。


5)加藤司書
 筑前勤王党の巨魁で黒田藩家老。黒田藩は長崎警護番で、開国を迫るプチャーチン(ロシア)との交渉に尽力した。明治維新の1年前に藩論が勤王から佐幕に変わり、切腹。存命なら西郷隆盛、板垣退助らとともに参議に任命されていただろう、といわれる。福岡市中央区桜坂に屋敷跡がある。

参考 西日本新聞2009年11月18日の記事
※記載の記事・画像などの無断転載・転用を禁止します。

高野龍也(タカノタツヤ)
印刷会社、地元情報誌スタッフ、某スポーツ新聞記者を経て、現在モノ書き、を名乗る。
3年かけて九州をくまなく取材したことから、地域文化の芳醇さを知る。現在は、福岡市内の全神社巡礼をしつつ、コミュニティ文化の芳醇さを探訪している。

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