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[スースーの北京レポート] 京劇日本舞踊

みなさんこんにちは。
福岡はもう桜開花の季節でしょうか。北京は3月に入って2回も雪が降りました。
本格的な春はまだ少し先になりそうです。

さて、
みなさん日本の伝統芸術である日本舞踊と中国の伝統芸術京劇が
1つの物語になっている舞台を見たことがあるでしょうか。
慶応義塾大学の主催のもと、非常にめずらしい企画である
日本舞踊と京劇のコラボレーションが実現しました!

3月1日、慶応大学日吉キャンパス藤原洋記念ホールで京劇・日舞のコラボレーション
「西遊記 三蔵絶体絶命!(京劇・日舞)」
「三番叟・藤娘(日本舞踊)」の舞台公演が行われました。

その集大成として、
先日3月10日・13日北京市第四中学校にて同公演が開かれたのです!

以下全ての写真撮影:張穎
京劇,人見豊
(写真中央 企画・制作の慶應義塾高等学校人見豊教諭)

慶應義塾高等学校外国語科中国語の人見豊教諭は今回の中国公演に至るまでについて、
「もともと慶應義塾高校の生徒のために京劇の鑑賞の会を
開くようになったのが始まりであります。非営利的な文化活動として
一昨年の公演で最後にするつもりでいたましたが、
素晴らしい企画で、終わりにするのはとても惜しいという声が多く寄せられました。

それならば日本のみならず、何とか中国公演ができないとかという気持ちになりました。
我々に対する熱い期待と各界の様々な方のご支援へのささやかなお礼として
今回の北京公演が実現に至りました。日中間の友好交流のため、さらには日中文化相互理解の一助になれば。」とご挨拶の中で語られました。
このご挨拶に舞台に足を運んだみなさんも暖かい気持ちになったのではないでしょうか。
私も本当に感動しました。


京劇2.JPG今回の舞台の見所は、
前半20分は日本でNHKの
中国語講座を見ていた方なら
誰でもご存知の、

盧思さんによる
日本舞踊「藤娘」








間にレクチャ「京劇と日本舞踊の類似と相違について」を挟んで
後半の40分「西遊記 三蔵絶体絶命!(京劇・日舞)」がスタート!

京劇3.JPG
(写真左から白龍・三蔵法師・孫悟空・土地神・観世音菩薩)

三蔵法師と天竺までの旅を供するのは、孫悟空、猪八戒、沙悟浄の三人が有名です。
じつは、もう1人の供が孫悟空の後に三蔵法師の供になった「白龍馬」。
もとは西海龍王の太子でしたが天の神様の宝物を燃やした罪で地上に落とされました。
蛇盤山の鷹愁澗、三蔵法師と孫悟空が通りかかる時、白龍に出会い、
事件が起こります!

京劇4.JPG観客席からこんなに近くで
観られるんだー!と大興奮☆

観客のみなさんはこんなに面白いものはめったに観られない、
また観たい!と、うれしそうな
すてきな笑顔を浮かべていました。







(写真・孫悟空役石山雄太さん、写真右側・白龍役藤間恵麿さん 横浜公演)


京劇5.JPGラストではみなさんがステージ前に
駆け寄り、舞台の終わりを惜しみました。












観客を楽しませるためにみんなで1つの目標に向かって進んで行く、
これこそがエンターテイメントな日中文化交流ではないでしょうか♪

「そして、今回はアジアンビートをご覧になっているみなさんのために
なんと同公演で孫悟空役として出演された
プロ京劇俳優、石山雄太さんにインタビューに応じていただきました!」

プロ京劇俳優・石山雄太さん

京劇6.JPG孫悟空になりたいという夢を一筋に追いかけ夢を叶えた石山さん
「小学生のとき偶然テレビで目にした孫悟空の姿があまりにも生き生きと
していておもしろかったので『孫悟空になりたい!』と思ったのが始まりです。」
と目を輝かせて話してくれました。

そんな石山さんは現在中国国家京劇院に在籍する初の外国人京劇役者
として日本と中国で活躍されています。








●18歳で北京の中国戯曲学院附属中学校に留学することを決めた石山さんは、
ご自身について。


「小さいころから今になっても変わっていないけど、
とにかく好きなことをやるのが自分だと思う。
京劇の演技術では「唱」が一番重視されており、台詞、しぐさ、立ち回り、ほかにも発声練習、小道具の扱い方など、専門実技を中心に厳しい訓練が続きます。
ただやめたいと思ったことは一度もないですね。
自分にできることを1つずつやってきただけですが
京劇が好きである気持ちは今でも変わっていないです。
これからもどこにいてもどんな形であっても自分の芸術を高めていきたい。」と力強く語っていました。

●福岡にはどんな印象をお持ちでしょうか?

「昨年京劇の九州公演で福岡に訪れた際に、人が温かい街でアジアの玄関口でもあるので
文化交流が盛んに行われている雰囲気がある街という印象を受けました。
京劇というのはとても幅が広い芸術で、
工夫しながらやってきたのが今回の京劇と日舞のコラボレーションという形になり、
日中文化交流を実現できたことをうれしく思うと同時に
今までになかった試みでもあるので楽しみながらやっています。
機会があればぜひまた京劇公演で福岡に訪れたいです。」

●京劇の雰囲気を感じに来て欲しい。

「日本で中国の伝統芸術京劇を観にきてくださるお客様の年齢層は中高年が中心ですが、
伝統芸はどうしても敷居が高いというイメージを持たれがちです。
会場に来ていただけると雰囲気だけでも楽しめると思いますし、
衣装の刺繍がきれい、立ち回りや歌がおもしろい、見方はいろいろあっていいと思うのです。
横浜公演ではたくさんの若い人にも観にきていただきました。
みなさん素直に観てくれますので、観客の心を掴む演技をいつも意識しています。」

●カルチャーについて

「刺激的な新しいカルチャーがどんどん生まれてきている中、
新しいものはいつの時代も古い文化から大きいなインスピレーションを受けていると思います。
そういう意味でも何代も受け継いてきた伝統文化である京劇の
刺激的な雰囲気を少しでも多くの方に感じに来てほしいですね。
舞台はその場で伝わるので、見ていてここがおもしろいという点を
ちょっとだけでも見つけて家路についてもらえると嬉しい。」と
微笑みながら語ってくれました。

今回のインタビューで
古いものから新しい発見!というインスピレーションを受け
まさに「温故知新」という言葉がぴったりだなと思いました。


日中友好交流のために熱い気持ちを持った方々のおかげで
このようなすばらしい企画
日本舞踊と京劇のコラボレーションの北京公演が実現したことを本当に有り難く思います。

北京公演には子供と一緒にたくさんのご家族が観に来ていました。
大人が観てもおもしろくて、また石山さんが演じた孫悟空は子供にも大人気でした。
ヒーローのような存在の孫悟空になりたいと思った石山さんの
気持ちが本当によくわかりました!

海外情報員 スースー氏 プロフィール

中国・北京市在住。
福岡県と友好提携を結ぶ江蘇省の出身。
幼少の頃から学生時代までの約 13年間を福岡で過ごし、現在は、北京の映像会社に勤務。
2007北京ポップフェスティバルでは、日本アーティストのアテンド兼通訳としてサポートをおこなうなど、日中の文化交流に貢献。

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