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[アジアンビート責任編集] 「マタギキ」 第一章 (1/2)

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「熱狂するって、これがクリエイティブでしょう! 」 amadana創始者 熊本浩志氏 史上初のノーカット1万字インタビュー

小柳:福岡に住んでたんでしょ?

熊本:10年くらい前に住んでましたね。福岡は女性が可愛いからね。(笑)

小柳:講演会はすることが多いんですか?

熊本:月10回くらいですね。

小柳:どうしてこの事業を始めたのですか?どうして家電だったんですか?

熊本:実家が電気屋だったんですよね(笑)。
なんで家電だったかというと、電気屋の息子だったけど、電気屋にはなりたくなかったんですよ。
電気屋にだけは生まれたくなかったなって(笑)。店から玄関に入るんじゃなくて、玄関が欲しかったですね。
カウンターに“こんにちは電気”って書かれてて。今思えばすごくセンスがいいんですけど、当時はいやでした。
小柳:プロフィールを拝見させていただくと、熊本さんは九州、宮崎出身なんですよね?

熊本:そうです。名古屋の大学を卒業して、東芝という大手家電メーカーに入ったんです。ただ、大学時代のある転機があって、起業したんですよ。

小柳:その転機について『ポーラ化粧品』というキーワードをいただいていたんですが。

熊本:実は大学まで野球をやっていて、それもバリバリの体育会系の。
一方で、夜はクラブのDJをやってたんです。昼は体育会系、夜はクラブ系って不思議な感じの大学生でした。
幼いころから音楽などのサブカルチャーにどっぷりだったんですよ。

名古屋の大学に行って、DJやって、そのころ一緒に遊んでたやつが皆有名になって。
SEAMOっていうアーティストが同級生で、HOME MADE家族とかが後輩の世代なんです。

僕はやつらを見てて、自分はアーティストではないなと思ったんですよ。
やつらは裏でステージに上がるまで、心臓をバクバグさせて、いざステージに上がるとすごいパフォーマンスをするんです。アーティストってのはここまでのめり込まないとだめだなって思って。
僕はDJやりながら「あそこの客寝てるなぁ」とか「今日客があんま入ってねぇなぁ」とか「お酒が出てるなぁ」とか、俯瞰してみる癖があったんですよね。

経営者としては冷静な視点で、いい意味で冷めているって感じ。
だから自分はアーティストというよりプロデュース業に向いてるなと思いました。

大学卒業して実際何をしようかなと思ったときに、野球は引退したし、またサリーマンってのもどうなのかな?と思っていました。
その時たまたま大学の講演で来られたのが、ポーラ化粧品の鈴木社長。
大学の授業の24回のうち23回は寝ていた授業だったんですが(笑)。たまたまその鈴木社長の場合は入ってきた瞬間から明らかに空気が違いました。出立ちから全ての持ち物が。今でも全部が脳裏に焼き付いているくらいの衝撃です。
その時イタリアのビジネス構造の話をされたんです。イタリアって言う国は日本より産業が発達してなくて資源にも乏しいので、実際に形のないデザインというものを国益に変えていったと。カロッツェリアという中小のデザインチームが国を支えていると。
なんで鈴木さんがそんな話をされたかというと、彼はもともとHONDAのエンジニアだったんですよ。昔HONDAのシティっていう車をつくったエンジニアで、シティのカブリオレをつくるというプロジェクトがあったんですよ。日本には幌つきの車の文化がないので、フィアットに出向して勉強してくるというプロジェクトで、そこで始めてイタリアって言う国に行って、イタリアの産業を持ち帰るんですけど。そこでイタリアっていう国が、大きな企業ではなくてデザインやもの作りをしている中小の企業が国を支えてるという話を講演できいて。

その頃自分が電気屋にうまれながら、その店で販売されている家電をつくっている人がいるっていう感覚がなくて。
売ることはできたけど…、モノを創るという発想が無かったんです。そこで単純にモノを創る人ってかっこいいなと思いました。
そんなポーラの鈴木の話を聞いて、僕は頭をガーンって殴られた気がして。何だか意味不明のやべぇって放心状態で帰ったんですよ。自分もモノ創りがしたいなと思って、メーカーに行こうと思いました。
小柳:そこで東芝に入った訳ですね。

熊本:そうなんです。それが東芝って言うブランド自体がまたダサイじゃないですか(笑)。
実家の“こんにちは電気“は東芝とソニーの代理店でしたけど(笑)。アンチ東芝なんですが、裏を返せばそんな『東芝』っていうブランドを愛しているんです。自分の家の看板みたいなもんじゃないですか。

僕東芝入って一年目が福岡だったんですよ。
半年福岡にいて、その後東京の本社に行くんですけど、その半年間で研修でいろんな部署をまわって。そのとき僕と同行する人たちが異口同音に、『お前と一緒にいると、仕事をする気がしない』っていう人ばっかりだったので、仕事中に呼子までイカを食いに行ったりとか。野球見に行きたいって雁ノ巣球場に行ったりとか。全然仕事してなかったですね(笑)。
入社当初はモノ創りに憧れていたのに…、展示会の受付やらされたりと…何だかこんなことしてていいのかなってすごい焦りばかりが先立っていました。

今考えると、甘いですよね。
ただ、そんな現実の自分を受け入れられず、ついつい遊んじゃってしまっていまいした。本社に行っても、一年くらい繰り返しましたね。もう辞めようかなって思いましたから。


小柳:でも、そんなことしていたらダメになっちゃうでしょう!?

熊本:もちろん(笑)当時研修が終わり、部署を配属される時期が来ました。
当時行きたかったのは、華やかだったdynabookっていうパソコンをつくる部署でした。それがダメだったら、当時フェイスっていうブランドでしたが、今のレグザというブランドのテレビを製造する部署でした。行きたくなかったのはいわゆる白モノ家電。白モノって、主婦の領域で僕が出る幕じゃねえって勝手に思っていましたから。家電の中にも冷蔵庫とか色々とありますが、その中でもキッチン家電は一番行きたくねえなって思ってたら…

見事にキッチン家電でした(笑)。


小柳:それはやる気がなくなりますね~(笑)。

熊本:へこみましたよ。そこで最初にやらされたのが、ダイエーとジャスコでの営業(笑)
新店がオープンするから商品の陳列しに行っていましたから。大丈夫か…!?俺みたいな感じでしたよ。
常にそんな日常に悶々としてましたね。
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