「鼓動」2010年9月17日
台湾映画祭2010

台北の一流ホテルの料理長とその三人娘が織りなすホームドラマだったが、台湾料理を作る厨房のシーンもふんだんにあって、なかなかに面白かった。
が、そもそも韓国映画に比べて、台湾映画を見る機会は少ない。
今年で20回を数えるアジアフォーカス・福岡国際映画祭の協賛企画として、「台湾映画祭2010」が、福岡市博多区にある福岡アジア美術館8階「あじびホール」で開催される。期間は9月16日から21日までで、8本の映画が上映される。
多くは、台湾の新しい風ともいうべき若い世代の息吹が感じられる作品群であるようだ。
そのうちの一つ『海角七号/君思う、国境の南』(2008年)は、台湾で興行収入歴代1位を記録した話題作で、60年前に日本人教師が台湾人女性に綴ったラブレターをめぐる物語である。すでに昨年から日本各地で上映されている作品だ。
また、「ウエスト・ゲートNo.6」(2007年)は、台湾の渋谷とも呼ばれる台北・西門町での若者たちの友情や恋や孤独を、ドキュメンタリーの出身の監督がスタイリッシュな映像で極上のエンターテインメント作品との評価も高い。
今回上映の8本の作品の制作年は、07年が5本と最も多い。2008年に東京で上映された「台湾シネマコレクション」の作品が、ベースとなっていて、それ以外にも、少し前の作品だが、宮沢りえが婦人警官役で出ていた『運転手の恋』(2000年)なども含まれている。
ともあれ、福岡市から直行便で2時間の台湾。近くて行ってみたい台湾の今を、若い世代の映画作品で味わうのもいいかもしれない。(HR)