「鼓動」2010年9月22日
ゴーヤ・緑のカーテン

それは五月に植えたヒョウタンがネットを這って窓を覆い、涼やかな「緑のカーテン」となっているというものだった。
同様なことをやっている人は全国に多いだろう。近年の酷暑の経験とエコ意識は、家庭でも緑のカーテンを増やしているはずだ。
かく言う自分も、沖縄産のアバシゴーヤをベランダの鉢に植えると、ネットに伸びた葉陰は緑のカーテンを作って差し込む日差しを和らげている。
緑のカーテンには、ゴジラの尻尾のような突起をもつ実がぶら下がった。
別名「ニガウリ」と呼ばれ、特有の苦みを敬遠する人も多かったゴーヤだが、最近では、苦みの少ない品種も広まって、もともとビタミンCなど豊富なだけに、食べる人もずいぶん増えたようだ。チャンプルーやサラダ、さらには天ぷらなど、食材としても活用の範囲が広いのも魅力だ。
ゴーヤの実が成りだしたのは7月初めだった。
調理の際に実から取り除いたゴーヤの種を乾燥させ、尖端をわずかに切り落として、トレイで水気を与えておくと、亀甲の形をした種の切り口から白い尻尾のような根が出る。
これを鉢に植えると数日で発芽した。
やがてゴーヤ二世はぐんぐんと育ち、今や勢いを失い、黄ばみ始めた親に替わって、再び鮮やかな緑のカーテンを広げていった。
アバシゴーヤのベランダ二期作。
これで、9月10月も瑞々しいアバシゴーヤにありつけそうである。さらに、今年は、例年になく残暑が厳しい模様。緑のカーテンは大活躍の年になりそうだ。(IK)