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ラクガキからアートへ。グラフィティカルチャーの奔放な過去・現在・未来

グラフィティ黎明期(70年代のグラフィティ)

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グラフィティというアートを知っているだろうか。
グラフィティとは、ビルや高架下などパブリックな壁面に描かれた「ラクガキ」を指し、カラースプレーを使用することからエアロゾール・アートとも呼ばれている。

グラフィティの歴史は意外と古く、
1970年代にはN.Y.を中心にすでに始まっていたといわれる。

初めてライター(※1)としてメディアに取り上げられたのはTAKI183。
ギリシア系アメリカンのディミトリウスが『TAKI183』というタグ(※2)を街のいたるところに残すゲームを始めたのを期に、子どもたちにもそのゲームが広がった。
そのアクションがニューヨークタイムズの記事になったことでブームに拍車がかかり、多くのアーティスを生み出すきっかけとなる。

グラフィティのバックボーンは、ヒップホップ(※3)をはじめエクストリームスポーツやサーファーシーンといったストリートカルチャーがある。そのため、描かれるモチーフやステンシルなイメージといったストリートに密着している作品が多く見られる。

沸き上がるグラフィティムーヴメント(80年代のグラフィティ)

1980年代に入るとジャン・ミッシェル・バスキアやキース・ヘリングの登場で
グラフィティの人気は一気に加速する。そんな中、日本でも大きなムーブメントが起こった。
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Phase2のグラフィティ
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FUTURAのグラフィティ
きっかけは1984年10月に西武池袋店7階駐車場で行われた映画「WILD STYLE(※4)」のワールドプロモーションツアー。

デパートのフロアで行われたこのイベントには、ヒップホップ黄金期で活躍したDJ、MC、ダンサーそしてグラフィティライターらが総勢20名も集まった。
参加したグラフィティライターの中には、現在も『King(最高のライターと認められた人)』と称されるFUTURA、DONDI、ZEPHERもいたというから驚きだ。

現在の日本のストリートムーヴメントの源流はここにあるといっても過言ではないかもしれない。

ちなみに、日本を代表するDJ、DJ KRUSHはこのイベントの直後にターンテーブルを購入したという逸話もある。

『ラクガキ』から『アート』へ(90年代のグラフィティ)


FUTURA2000の映像

90年代に過渡期を迎えたグラフィティはアートだけに留まらずファッションアイコンとしても注目される。バスキアやヘリングが表現の場を街からキャンバスへ移行した時期と重なるように、グラフィティの媒体もビルや高架から生地へと変化してきた。

Stussyなどのストリートブランドのみならずアニエスb.などのハイブランドにも取り入れられたグラフィティは、この時期を境にアートとしてより多くの人に認知される。

現在グラフィティアートは本場N.Y.から、日本はもとよりヨーロッパやアジア、南米にも広がっている。

グラフィティは90年代に入るまで「芸術」とは認められない存在だった。しかし、メインストリーム社会から外れた若者たちと芸術を再活性化したいと考える文化人たちの接点として、グラフィティは現在アートとして迎え入れられている。

貧困や人種的偏見、アート哲学との乖離(かいり)など、混沌とした問題が表現されたアート。それがグラフィティなのだ。


グラフィティがこれからどんな未来を形成していくのだろうか。

現在グラフィティアーティストとして活躍するローランド・ベリーとリーチを通してその可能性を考察してみる。

※1:ライター…グラフィティを描く人を指す。ペインターとも呼ばれる
※2:タグ…自分のグラフィティ用の名前やクルー(所属するグラフィティ集団)を書いたもの。また、それを書く行為をタギングという。
※3:ヒップホップ…1970年代にN.Y.のブロンクス区で行われていたブロックパーティ(街区の住民が行うお祝い)から生まれたカルチャー。グラフィティはヒップホップの4大要素の一つ
※4:WILD STYLE…1982年に製作されたアメリカのヒップホップ映画。

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