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[愛魂 vol.15]クラブピープルからコスプレイヤーまで幅広い支持を獲得するイベントDENPA!!! ~自由と混沌の先に見据えるものとは~(1/2)

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2010年5月1日、大阪でとあるイベントが開催された。雑誌のスナップに出てきそうなオシャレな若者や、コスプレをした若者が、同一の空間に共存し、ハードコアなテクノ、ノイズサウンドからアニメソングに体を揺らし熱狂する。そんな光景が存在する。
想像し難いこの異なるジャンルを、見事一つのクラブイベントとして成立させたのが“DENPA!!!”である。誰もが想像しなかった新たな試みにはどんな意図があるのか。そして彼らがこのプロジェクトを通して成し遂げたいこととは。今回は主宰メンバーの一人、総帥補佐 王子と、広報・ミスDENPAのまさじの二人に話を訊いた。

イベントを続けていく中で、だんだんアニメをファッションとして楽しむ人が増えた気がしますね。

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asianbeat(以下ab):そもそも“DENPA!!!”はどんな意図で始めたイベントなんですか?

王子(以下:王):きっかけは、4年くらい前。ちょうどその頃原宿あたりを中心としたアパレル関係の人間達のコミュニティがあって、そこをふらふらしているうちに出会って意気投合したのが、現在のDENPA!!!でメインのオーガナイザーである点と線。
あの辺はクラブが元気で、よく仲間に連れて行かれてはいたんですけど、僕と点と線は少し気質が違ったというか、なんとも卑屈な考え方だけれど、あの辺のクラブに閉塞感をすごく感じるようになっちゃって、クラブの端っこでジメジメしてばかりいました。
それで、「じゃあ、自分たちでイベントやろうか」って始まったのがDENPA!!!の前身である“暴力教室”というイベント。“暴力教室”は通常のクラブの様式に、無理やりニッチなコンテンツを入れたいなって思って始めたイベントで、原宿界隈で人気のあったDJさん達と全く同列に催眠術・ノイズ・BDSMといったものも見せていました。
その後、暴力教室時のメンバーは離散してしまったんですが、僕と点と線だけが残って次何やろうかって考えた時、当時ちょうど僕らにとってエッジィに見えていたのがアニメソングで、それをコンテンツの選択肢の一つとして扱うイベントが出来たらいいね、って生まれたのがDENPA!!!です。
アニメソングとかって、音楽としてすごく断絶されている印象があったから、一度、“音楽”として他の音楽達と全くの同列に、普遍的に価値を追求してみたかったんです。

だから、あまりアニメイベントをやりたいとか、オタクイベントをやりたいと意識してやった事は一度もありません。
僕らにとって、アニメソングは“一選択肢”に過ぎないので。ブレイクコアやノイズ、ハードコアテクノと全く同じ価値を感じてますし、それ以上でも以下でもありません。
ab:DENPA!!! は何回くらいやってるんですか?

王:大体2カ月に一度のペースで2年間、計12回のイベントを行いました。二周年のタイミングで1度定期イベントとしてのカタチは終了し、この前の大阪で復活しました。

ab:回を重ねる毎にどう変わりましたか?

王:お客さんが変わりましたね。始めた当初の理想としては原宿を歩いている人たちも秋葉原を歩いている人たちもお互いの持つコンテンツの価値を認めあえればいいなと思っていて、たとえば、原宿の子がアニメのTシャツを着て街を歩くとか。それで、実際にDENPA!!!をやっているうちにギャラクシーとかアニメのコラボTシャツを作ったりして、アニメをファッションとして楽しむ人が増えた気がしますね。

ab:復活となった前回の大阪公演の反応はどうだったんですか?

まさじ(以下:ま):点と線のやりたかったことが形になってたんじゃないかなと思いますね。関東圏内でやってたイベントだったので、初の大阪がどう出るか分かんなかったんですけど、集客も反応もすごく良かったです。東京だけではない地域でも評価をしてもらえた結果かなと思います。
王:大阪って僕大好きなんです。偏見かもしれないけど、水っぽいというか。サブカルチャーが凄く元気だし。山崎マゾさんのような危険なコンテンツが多い場所なので(笑)。

ab:大変だったことはありますか?

王:僕らはスポンサーをつけずにやってるので毎回が博打なので、そこが大変ですね(笑)。

アニメにしても音楽にしても、ニュートラルに価値を感じてほしい

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ab:クラブカルチャーに、いわゆる“オタク”と呼ばれる人種すらも巻き込み、異ジャンル同士の融合の中で心掛けていることは?

王:特にないですね。というか、そもそも“融合”はあまり意識しないようにしています。その時々で面白いモノを見つけたら出し、その自由から生まれる混沌が面白いな、と思っています。融合よりもコラージュに近いですね。同時に、DENPA!!!にはアニメがないといけない、なんて考えてはいません。僕らにとっては、アニメもクラブミュージックもBDSMも催眠術も同一のレベルで面白いモノだと考えています。

ab:今の日本のオタクカルチャーが世界から注目されている状況はどう思いますか?

王:今の日本のオタクカルチャーへの注目の向け方よりも、海外からの見方の方がノリが合うというか。外国の方が秋葉原を訪れて、メイドさんにティッシュもらって“ヤッホー!”とかそういう感じでいいんじゃないかなと思いますね。日本のオタクってすごく壁、というか聖域があって。客観的でニュートラルな価値観が希薄に感じます。

ab:DENPA!!! というイベントの理想形は?

王:理想は、、、これは雑誌MARQUEEのインタビューでも言ったんですが、最後は僕と点と線が切腹することだと思うんですよ(笑)。僕らは問題定義を投げかけるだけで、まだ何の答えも出していなくて。「気持ちいい、楽しい場所があるよ」だけじゃダメで。問いを投げかけて、ザワつきを起こした人間というのは、何かしらの答えを出さなければいけないので。そこを見せられないとダメだなと思いますね。ちょうどDENPA!!! の第一期が終わったときには、区切りとして“電刃見本市”というCDで思いっきり自虐ネタをやったんですが、それも切腹といえば切腹かな。
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