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[ ICON vol.55 ] VERBAL ~ヒップホップ精神論を体現するアクティビスト~(1/3)

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 音楽グループm-floやTERIYAKI BOYZ®のMC、音楽プロデューサー、さらにはジュエリーブランドのデザイナーなど幅広い顔を持つVERBAL氏。ヒップホップから学び培った理念や社会性をベースに、音楽シーンのみならずエンターテインメントやファッション界にも影響を与えるなどマルチな活躍を見せている。その研ぎすまされたセンス、そして時代や常識にとらわれない彼の生き方や考え方は、国境を越えて多くの若者たちに支持されているのだ。
 今回は、そんなVERBAL氏の音楽的背景やモットー、そして開催目前に迫ったEDMフェス「ULTRA JAPAN」との関わりやそれを通して見据える彼の思想について話を訊いた。(「ULTRA JAPAN 2014特集 ついに日本に上陸した一大ブランド“ULTRA”」はコチラ)

失敗することも多いですけど、チャレンジ精神は昔も今もあるのかなって思います。

――幅広いシーンで活躍するVERBALさんですが、音楽活動を始めたキッカケは?

VERBAL:中学、高校生の頃に「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」の“ダンス甲子園”とか“DADA”の番組や企画の影響もあってダンスをしていたんです。ヒップホップが好きで、自分でラップも書いたりしていました。ちょうどその時、同級生だったm-floの☆Taku(Takahashi)とバンドを組むことになって。当時はミクスチャーバンドみたいな感じだったんですけど、それが本格的に音楽を始めるキッカケですね。

――ずっとダンスをされていたということですが、☆Takuさんがキッカケで音楽の世界に入ったということですね。

VERBAL:そうですね。高校生ながら真剣にやっていて、デモテープをテレビ番組に投稿したら優勝しちゃったりして。
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(現在所属している)avexではないんですけど、当時別のレーベルからオファーもあって、高校生にしては悪くないところまで行ったんです。大学に進学する際に活動休止したんですが、卒業後2人で久しぶりに作ったデモがキッカケで、改めてm-floとしてグループを結成しました。

――近年、m-floやソロのDJとしてもクラブミュージックとポップスの垣根を壊すような活動をされていますが、実際に変化や反応はどうですか?

VERBAL:そうですね。僕たちの音楽ってデビューした時からすでに変わっていたと思うんですよね。理解しづらい訳じゃないですけど、曲を聞いて好きだって言ってくれるんですが、カラオケで歌えないとか……。日本って完全にカラオケ文化が根底にあるじゃないですか。そういうのもあって、デビュー当時から人の理解の範疇じゃない活動をしてきたのかなっていう意識はありました。それは今もそうで、音楽とファッションを融合しちゃうと、「それってどうなの?」って言われたりしたんですが、2年後とかになってそれが当たり前にリンクする時代になって。やっぱりやってて良かったって思うことはたくさんありますね。手前味噌なんですけど、僕は変わった考え方しているから。もちろん、失敗することも多いですけど、そういうチャレンジ精神は昔も今もあるのかなって思いますね。

――自分を信じてやってきた結果、時代が追いついて来たって感じですか?

VERBAL:追いついて来たって言うとおこがましいんですけど、しがらみとか関係なく、自分の感覚を信じてやっているだけ。ただ、大人の世界ってそれだけじゃダメな場合がよくあるんですけどね(笑)。だけど、CDが売れなくなるっていうのも分かっていたから、何年も前から“このシステムじゃダメだな”って思って、DJを始めたんですよ。もちろん好きで始めたんですけど、僕は元々DJとかやってなかったので。僕は元々ラップをしているんですけど、ラップする場所もいずれ無くなっていくんじゃないかって思ってた中で、案の定今はヒップホップのイベントとか昔に比べるとかなり少なくなってる。僕はヒップホップが好きだし、見せ方を変えていく必要があるなって思ったら、本当にそうなったり……。常に反対意見からの圧力はありましたが、いつも危機感を持って知らず知らずのうちに新たなチャレンジをしているのかもしれないですね。

海外のクラブって、政治家や大企業の偉い人から若い子までが皆同じ場所で遊んでいるんです。

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●m-floのULTRA KOREA 2014出演時のフロア。
――ダンスミュージックシーンにおいて、アジア諸国と比べると日本は後進国というイメージがありますが、その辺りの違いって感じますか?

VERBAL:海外のクラブって、政治家や大企業の偉い人から若い子までいて、大人も子どもも皆同じ場所で遊んでいるんですよ。お金がある人はVIPエリアに座ってるし、子どもたちはフロアで遊ぶし、もちろんDJはDJする。でも、きちんとシステムができているから、同じ場所を共有して音を楽しむことができるんです。でも、日本だと政治家はクラブに行かないじゃないですか。逆に行くと叩かれたりするんだろうけど。アメリカとかだと皆がクラブに行くから、それが無くなったら面白くないじゃんって思って、自分のことかのようにクラブカルチャーを守ろうとするんですよ。日本は“クラブは若い人の遊びでしょ”って空気が変わっていかないとダメだと思うんですよね。

――確かに、そのような風潮はある気がしますね。
VERBAL:でもね、少しずつだけど変わりつつあると思うんですよ。シンガポールでは周りにショッピング施設を隣接したらカジノがあっても良いっていう条例があって、実際に経済効果もかなりあったらしくて。お台場でそれを実施しようという動きもあるそうですが、もし日本でも実現すると、経済も大きく変わると思うんですよ。こうやって少しずつ変わり始めると、日本でもいずれ(シンガポールの)マリーナ・ベイ・サンズみたいなものもできるかも知れないですよね。あれも、建設費に55億ドルくらいかかったらしいんですけど、3年で回収したみたいなんですよ。後で詳しくお話しますが、韓国であった「ULTRA KOREA」のVVIP席って、タイや中国企業のお偉いさんたちもたくさんいて、メインステージに一番近いVVIP テーブルでは700万円以上もシャンパンを頼んだ人もいたらしいです(笑)。もちろん、海外のクラブシーンはそういう人たちが多く存在するだけでなく、純粋に音楽やアーティストが大好きなお客さんがいて、それを楽しませる良いミュージシャンがいるから成り立っているんです。でも、日本も変わりつつあると思います。
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