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櫻井孝昌(Takamasa Sakurai) のJAPAN! JAPAN! JAPAN!

【櫻井孝昌のJAPAN! JAPAN! JAPAN!】第77回 多様性の国ニッポンの世界への発信力と可能性を奄美で改めて感じる

海外を周りながら日本という国を見つめ直したとき、改めてその特徴に気づくのがその「多様性」だ。たとえば、アニメ。「アニメーションは子供のもの」という20世紀の常識と根底から異なるモノづくりをしてきた日本のクリエイティブは、映像表現の可能性としてのアニメーション作りのなかに、ありとあらゆる物語の要素を詰め込んできた。その多様性にこそ、世界が日本のアニメをアニメーションと区別し、最大限の支持を送った理由がある。

日本はモノづくりに真摯な国である。海外の若者は、日本をそう評価することが多い。モノづくりに真面目な国ニッポン。海外から影響を受けたものでさえも、本気で自分のものにしてしまう日本人のクリエイティブ魂に世界は素直に最大限の賛辞を送ってくれる。だから、マリー・アントワネットの世界にあこがれたデザイナーたちが作りあげたロリータファッションを、とうのフランスの人たちも「メイド・イン・ジャパン」と思うのだ。
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▲生態系の重要さも痛感できる奄美の大自然。日本の貴重な宝だ。
日本自体をもっと知りたい。それは海外を周りながらずっと感じてきたことだった。そんなふうに思いながら、私がとても行きたかった場所のひとつが奄美である。

奄美からなぜ数々のすばらしいシンガーが登場するのか。その本質はその場に行って、自分で体感しないとわからないだろう。その現場に行くこと、いることの重要性は本連載自体がそのことを語っていると行ってよいだろう。

奄美に対して大きな興味を持つきっかけになったのは、奄美出身の歌姫、城南海に出会ったことだった。人の心にぐっと入ってくる彼女の声と歌の根源を現地で感じてみる。それは日本をもっと知るためにも、私にとってもはや必要不可欠なことだった。

奄美に到着した晩から、里帰り中の城南海や奄美のみなさんが、連日、シマ唄を聴かせてくださり、さらにウタアシビをする機会を作ってくれた。ウタアシビとはシマ唄の唄い手を中心に、唄い手の歌を歌詞さえも自由にその場にいる人が三味線に合わせて唄い継いでいく、まさに唄遊びである。
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▲城南海
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▲名瀬の通りを通行止めにした一夜限りのビアガーデン。たってのリクエストで城南海がデビュー曲「アイツムギ」を披露
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▲唄の島であることを実感できるウタアシビの夜
郷土料理屋さんにたまたまいた周囲のお客さんも混じっての、宴席でのそんな最高の夜を過ごしながら、奄美が唄の島なのだなということを改めて実感した。特別天然記念物をはじめ貴重な動植物が多数存在する、圧倒的な自然をバックに育まれた唄の文化。奄美の伝統的なシマ唄、さらには城南海がやろうとしている、奄美のシマ唄を根底に想像する新しい音楽。それはまさに日本が誇るべきメイド・イン・ジャパンだ。
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▲マングローブ林の大きさは西表島に次いで日本2位
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アメリカやイギリスの音楽をひたすら追いかけていた少年時代。私に世界のさまざまな音楽を教えてくれるきっかけを作ってくれたのは、たとえばアメリカのギタリスト、ライ・クーダーだった。私はシマ唄を歌うことはできない。ライ・クーダーのようにギターで現地の音楽を昇華することもできない。でも、奄美の魅力にとりつかれたものの一人として、世界に向けてその良さを知ってもらう何かができたらいいなと思っている。ビョークが好きだという城は、奄美を大事にしながらも、世界のさまざまな音楽に親近感を持つという。
たとえば、彼女が最近カバーした韓国の「チョネジア」という曲に関して、曲中に登場する韓国の伝統楽器「へグム」が奏でる哀愁を帯びた音色や雰囲気に、奄美大島の音楽に共通するルーツを感じたという。
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▲宴席の最後は音楽に合わせてみなで踊る!
多様性の国ニッポン。私の新刊「世界でいちばんユニークな国ニッポンだからできること」(上坂すみれとの共著)にも込めた想いのとおり、日本という国のオリジナリティ、ユニークさを本連載でもこれからも追いかけていきたい。
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執筆者:櫻井孝昌氏プロフィール 

櫻井孝昌.jpg作家、ジャーナリスト、事業企画・イベントプロデュース等の仕事とならび、世界24カ国延べ120都市以上で講演やイベント企画、ファッションショーといった「ポップカルチャー文化外交」活動を実施中。外務省委嘱のカワイイ大使プロデューサー、アニメ文化外交に関する有識者会議委員等も歴任。著書(発売順)に『アニメ文化外交』(ちくま新書)『世界カワイイ革命』(PHP新書)『日本はアニメで再興する』(アスキー新書)『ガラパゴス化のススメ』(講談社)『「捨てる」で仕事はうまくいく』(ダイヤモンド社)がある。
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