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櫻井孝昌(Takamasa Sakurai) J POP CULTURE見聞録

第44回 ミス日本候補生が中国の若者と出会って感じたことは!?

2010年1月、本格的に中国への文化外交活動を始めて以来、2012年12月までに計12回、訪中することになった。2カ月に一度のペースである。
場所も、北京、上海だけでなく、北から南、西部内陸深くの大都市まで、じつにさまざまな場所を訪ねた。中国人の友人たちに「櫻井さんは、私より中国のいろいろなところに行っている」と笑いながら言われることもしばしばになった。
なぜ、ここまで中国に通うことになったのか。距離の近さ、日本との関係の重要性といったポイントももちろんだが、それ以上に中国と水が合うとしか言いようがないかもしれない。
では、なぜそれほど水が合ったのだろうか。その根底に、中国の若者たちの情の深さがある。
日中青年交流団
▲訪中団。湖南省長沙でボランティアの大学生たちと。
アニメやファッションなど日本のポップカルチャーを通した文化外交をしていくなかで出会ったたくさんの若者たち。世界中にたくさんの若い友人ができたわけだが、その縁を太くしていく情の深さを中国の若者たちからとくに強く感じる。
たとえばこんなエピソードがあった。
2010年春、広州で出会ったある女子学生は、秋に日本への旅行に関する広報活動で再び広州を訪ねたときは、自分の予定をすべて空けて道中ずっと付き合ってくれた。しかも、誰も頼んでもいないにも関わらず、日本のパンフレットを旅行博のわれわれのブース前で配り、日本の魅力について老若男女混ざった来場者に語ってくれた。彼女はいま故郷の学校で日本語の教師をしている。日本と中国の未来にとって心強い。
日中青年交流団
▲訪中団。深夜入ったレストランで店員に道を訊ねる団員。言葉が通じなくてもコミュニケーションは可能だ。
国と国との約束や外交活動ももちろん大切だ。だが、私は外交を政治家や官僚だけがするものとはまったく思っていない。
日常レベルでいかにお互いの価値観を共有できるか。このことこそ、世界を明るい方向に導いていくと私は信じている。
メディアでの報道とは違った形で、この私が中国で感じている「情」を感じてもらえれば。そんな想いを具現化したような日中双方の国家事業がある。
それが、日中青年交流団だ。数多くの日中双方の若者が互いの国を訪問しているわけだが、私もポップカルチャー分団長として参加した2010年10月の訪中団の、ミス日本分団員、ミス日本候補生の増田麻美さん(白鴎大学4年生)にその旅を振り返ってもらった。
「日本語を勉強している大学生たちが、ボランティアで同行してくださるのですが、アニメやドラマのことなど、私以上に日本のことを知っていることに驚きました。私が読者モデルとしてでているCanCamのこともみなさんよくご存じでした」

中国ではいま、日本のファッション誌の中国版がとても売れている。部数でいえば、オリジナルの日本版より中国語版のほうがはるかに多いものも珍しくない。
日本のファッション誌を愛読する女子たちにその魅力を聞くと、圧倒的に多い理由が実用性だ。コーデなどの参考にすることが多いという。当然ながら、それらの雑誌に登場してくる、等身大が魅力の読者モデルにも注目が集まる。
日中青年交流団
▲増田麻美さんとボランティアの中国人大学生
「中国で人と人とのつながりの大切さを改めて感じることができました。帰国後もメールでの交流が続いています。お世話になったみなさんが日本にいらっしゃるときは、今度は私が日本を案内したいです」

訪中団が初めての海外だったという増田さん。おそらくこれ以前と以降で中国に対するイメージはまるで違うだろう。
だが、これはまた逆もしかりなのだ。
いま、世界の若者たちの多くは日本のアニメで育っている。彼らは実際の日本人とコミュニケーションをとりたがっている。
若者の内向き志向に対する警鐘がようやくメディアなどでも強く論じられるようになってきたが、世界の若者たちは日本の若者を待っているのだ。
それは日本と世界のつながりを強めていくことにもなるだろう。

日本の若者に世界にもっと羽ばたいてほしいなと切に願う。
日中青年交流団
▲訪中団。長沙。日本人というだけで、現地のアニメファンの中学生たちにサインを頼まれた筆者。
日中青年交流団
▲中国の若者への認知度抜群セーラームーンの名せりふ「月にかわっておしおきよ」を中国語で披露。
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執筆者:櫻井孝昌氏プロフィール 

櫻井孝昌作家、ジャーナリスト、事業企画・イベントプロデュース等の仕事とならび、2012年7月現在世界23カ国100都市以上で講演やイベント企画、ファッションショーといった「ポップカルチャー文化外交」活動を実施中。外務省委嘱のカワイイ大使プロデューサー、アニメ文化外交に関する有識者会議委員等も歴任。著書(発売順)に『アニメ文化外交』(ちくま新書)『世界カワイイ革命』(PHP新書)『日本はアニメで再興する』(アスキー新書)『ガラパゴス化のススメ』(講談社)『「捨てる」で仕事はうまくいく』(ダイヤモンド社)がある。
ツイッターでも海外情報発信中 http://twitter.com/sakuraitakamasa/
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※次回は、歌ってすごい。テレサ・テンの大ヒット曲「時の流れに身をまかせ」が日本と中国の絆を深める模様を。

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