「鼓動」2010年5月9日
マチアソビ

徳島市の街中を遊び尽くしてしまおうと、5月2日~4日に開催されたイベントである。とあるWebサイト上で異様に盛り上がっているのが気になり、興味津々で出かけてみた。
メイン会場となる新町川沿いのステージでは、有名声優のトークイベント、コスプレ大会、バンドライブなどが繰り広げられ、常に1,000人以上が集まっていたように見受けられた。また、駅前でありながら普段はきっと人通りが少ないだろうなとおもわれる商店街ではカードゲーム大会、作品展示会などが行われ、10代、20代の若者で活気に満ちていた。
さらに、驚いたのが、人気観光名所眉山のロープウェイ車内アナウンスを、なんと、水樹奈々(四国出身)がつとめていた。紅白にも出場した彼女の知名度は、いまや幅広い年齢層に浸透していることを考えると、素晴らしい起用法である。
ほかにも橋の下にエヴェンゲリオンなどの作品を飾る水上美術館(もちろん、船に乗らないと見ることができない)やJR記念切符(早々に完売)など、楽しい試みがじつに満載であった。
このイベント、昨年10月に第1回が開催された新しいイベントだそうだ。県外からもイベントを目当てに四国に渡ってきているそうで、今年1月の2回目に既に来場者は2万人を超え、回を重ねるたびに増えているそうだ。
冷静に見ると、新たな施設やライブのための舞台を作ったわけではなく、もともとあった公共スペース、商店街も空きスペースを活用、ロープウェイも既にあるものを組み合わせたに過ぎない、かつ案内板や装飾も手作りすぎるぐらい、の印象であった。
発見だったのは、一つ一つのアイデアそのものが新しいのではなく、1箇所であれば点で終わるものを、点を線にして回遊ルートを作り、線をたくさん作ることで人が集まる面にしたからこそ、新しいものに空間が生まれ変わり、新鮮さにつながっていた。
行政がベースとなる予算を用意して特別な空間を作りイベントでお金を得るのではなく、既にあるものや人のネットワークを活用してイベントを起こしお金を生むのだという発想、そして実行力、たいへん、勉強になった。
徳島といえば、阿波踊りが有名であるが、お祭り好きな人たちの気風も伝わってくる。
お祭り好きの気風では、この福岡も負けてはいない。
楽しくなってきた。(K)