「鼓動」2010年5月26日
初音ミクがオリコン1位を獲得(続)

音楽界では、人間のアクシデントと異なり、機械の裏切らない正確なところが安心として受け入れられ、人気を博するポイントになっているとコメントする者もいる。
パソコンでの音楽制作は、1990年代のWindows95の普及に伴い、DTM(デスクトップミュージック)という言葉で、それまでATRIやAppleを使った専門機や音楽関係者の一部だけであったものが、一般のユーザーの間でも浸透し、盛んとなった。低価格で作曲できると謳ったソフトウェアが数多く発売され、安価なキットで音楽制作が楽しめるようになった。
底辺の拡大が、今日の普及と発展を支え、大量の創作物の中から、秀作を生み出したことは言うまでもない。
このような環境の中、ボーカロイドは、通常、音楽ソフトウェアとして1,000本も売れればヒットと呼ばれる中、4万本以上を売り上げる異例の大ヒットとなった。
最近では、数千円のカメラやマイクを買いさえすれば、一般人でもUSTREAMなどのWebサイトを通じて、インターネット放送をおこなうこともできるようになってきた。既に大量の放送番組が流され、競争の中から、多くのユーザーに注目される秀作も生まれている。
そして、急速に専門技術が頂点から底辺へと、多量、かつ簡易となって流れてくる中、番組制作もTV局でも制作会社でもない、誰でもクリエーターの登場によって、ここでもフラット化が進行している。
一般人の作った番組が、視聴率一位を取ったとしても、不思議ではない時代がすぐそこに来ている感がする。(K)