「鼓動」2010年5月27日
サムライ
「サムライ」と言う言葉は、外国の方にもなじみが深い。忍者や芸者と並んで、外国人の抱く典型的な日本人のイメージともいえる。時代劇の映画、アニメ、漫画などからおのずと広まったものかもしれない。日本人の我々だって、義を貫く勇気ある人物をときおり「サムライ」と評するが、そんな人物はこのところ減ってきた感がする。
サムライに関して具体的なイメージを映画に求めるとすれば、黒澤明監督の『七人の侍』が挙げられる。戦国時代、野武士と戦う雇われサムライ達の壮絶な闘いを描いた黒澤映画の代表作で、その後の世界の映画に大きな影響を与えた。
作品の中で、志村喬が演じた戦略家のリーダー島田勘兵衛、加東大介が演じた部下の七郎次。ともに誇り高いサムライだった。
が、ひときわサムライらしくあったのは宮口精二が渋くクールに演じた剣客久蔵だった。
冷静かつ沈着。寡黙ながら果断。見る者にかれこそサムライという強い印象を残した。
今年は、黒澤明生誕100年だそうだ。今一度『七人の侍』の中で、サムライたちと会いたくなった。(IK)
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