「鼓動」2010年5月30日
iPad

当日販売分を徹夜の行列で手に入れた方もいらっしゃることだろう。
よく新聞紙上などでは、iPad普及の鍵はソフトにありと言われる。数年前に発売されたiPhoneは、ソフトの普及を世界規模で進めたきた。結果、iPhoneユーザーは、全世界で開発されたアプリケーション・ソフトが使えるとあって、既に10万本以上のソフトが供給され、他社をよせつけない圧倒的な数的優位の中、拡大の一途をたどっている。
今回のiPadでは、目玉の一つに、電子書籍をあげる声が多い。出版社では、電子書籍に対応するため、電子化作業を着々と進めているところも多いことだろう。
だが、電子書籍端末だけを着目すると、決して目新しいことではない。
国内では1990年代初頭には最初の端末が登場し、以降、「新製品、消えては、登場」と、ハード、ソフトと一体となった取り組みも、おもうような成功事例を築けないままである。
昨今、インターネットや携帯電話が一般に普及し、「出版不況」という言葉が世の中で囁かれるようになった。そして、有名雑誌が休刊、廃刊に追い込まれるなど、寂しい現実を生んでいる。
今回のiPadが出版界の救世主となるのか、興味深い。(K)