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「鼓動」2010年10月16日

『トウキョウソナタ』

鼓動  東京に住むごく普通の家庭である佐々木家。父親の竜平(香川照之)は突然解雇され失業中だ。家族には告げられないまま 毎日ハローワークに出かけている。大学生の長男は、毎日アルバイトに明け暮れているが、米軍に志願入隊することを決めている。小学生の二男は、給食費をくすねて、親には内緒でピアノのレッスンを受けている。そして専業主婦の恵(小泉今日子)は車の免許を取ったばかりで、オープンカーに関心を寄せている。一見ごく普通の家庭も、内実は求心力を失い、家族はバラバラだ。

 そんな崩壊寸前の家族の行方を描く映画『トウキョウ ソナタ』(2008年/日本・オランダ・香港)は、カンヌ映画祭で「ある視点部門審査員賞」を受賞している。メガホンをとったのは東京芸術大学で映画作りを教える黒沢清である。ホラー映画で知られる黒沢監督は、この作品にシニカルな笑いとともに、随所に、現実との均衡の危うさや不気味な恐怖感を散りばめられている。

 映画作りには、アムステルダムと香港に拠点を持つ「フォルティシモ・フィルムズ」が 関与している。同社はアート系映画を扱うセールスカンパニーの大手だ。世界各地の映画祭に出品し、プロモーションし、高い評価を得、そして海外の配給会社の関心を高めることが彼らのビジネスであり、腕の見せ所となる。そんなセールスカンパニーは、日本の監督に大いなる関心を示している。北野武、是枝裕和、三池崇史(「十三人の刺客」)、青山真治、宮崎駿そして黒沢清。これらの監督はいずれかのセールスカンパニーと関係が強いという。

 『トウキョウソナタ』のもとになる脚本は、フォルティッシモ・フィルムズ側から黒沢のもとに持ち込まれている。セールスカンパニーにすれば年間300本の映画を製作する日本に、欧米にない映画の新たな魅力を探そうとしている、と語るのは黒沢自身だ。

 家族の再生へのかすかな光明は、天賦の才能を持つ次男のピアノ演奏だ。 ラストシーンで演奏されるドビュッシーの「月の光」は浄化作用に満ちている。家族にとってあらたな始まりを予感させる旋律は見る者の心に届く。(IK)


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