「鼓動」2010年11月16日
翼をくださいっ!

その中に、引退した国産プロペラ旅客機「YS-11」も登場していた。名機と呼ばれたYS-11が、就航したのは1965年。だが、1973年に生産中止している。売れなかったからだ。現在日本の空では飛んでいないが、いまでもアジアのどこかで飛んでいるはずだ。
新聞によれば、国産初のジェット旅客機の生産が始まったようだ。三菱重工業の子会社三菱航空機が手掛ける「ミツビシ・リージョナル・ジェット(MRJ)」は2種類。MRJ90(92人乗り)とMRJ70(78人乗り)の小型ジェット旅客機だ。燃費に優れたアメリカ製エンジンと炭素繊維複合体の機体が燃費を大幅によくするという。航続距離は最大3440キロ。国内線のみならずソウル、台北、グアムなどの近距離の国際線も可能らしい。1号機は2012年には完成するが、1号機を発注したのは全日空である。試験飛行を繰り返し、2015年ころには、国内の空に就航するのだろう。
100席以下の小型ジェット機の需要は決して小さくない。この需要を巡って、カナダ、ブラジルさらには中国とロシアも加わって、競争してゆくことになりそうだ。 新規参入が難しい言われる業界だが、なんとか、営業面を強化してこのエコジェットが売れればと願う。
現在、米仏の航空機メーカーの下請けに徹している日本の航空機メーカー。今回は、そうした状況から、いわばリスクを押しての新たな挑戦となる。国産プロペラ機YS-11就航から半世紀を経て、あらたに国産ジェット機が日本の空を飛ぶことになる。世界の空でより多くのMRJが飛ぶことを期待している方は多いはずだ。 (S)
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