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櫻井孝昌(Takamasa Sakurai) のJAPAN! JAPAN! JAPAN!

【櫻井孝昌のJAPAN! JAPAN! JAPAN!】 第88回 福岡を愛し、福岡が誇る全国区ロコドルLinQ。世界に向けての日本は東京だけじゃない!

2008年から本格的にスタートした、私の文化外交活動。海外に行けば行くほど私の心の中で高まっていくのは、日本という国への想いだった。世界でいちばんユニークな国ニッポン。明確な四季を持ち、多彩な地域性を持つ日本をもっと知りたい。そして、それを海外に伝えたい。それは、文化外交活動で日本を世界の人たちに好きになってもらうためには、私のなかの重要テーマになった。
本連載が掲載されているアジアンビートは、福岡県が運営するポップカルチャー配信サイトである。海外の読者も多いので、ここで福岡県を少し紹介しよう。
福岡県は、島国である日本を構成する無数の島々のなかでもとくに大きい4つの島のひとつ九州の北に位置する、総人口500万人ほどの県である(日本には県単位の地域が47ある)。海を挟んだ向かいは韓国。東アジア、東南アジアに近く、福岡空港にはアジア諸国からの直行便が多数開設されている。
福岡県と日本のポップカルチャーと言えば、まず浮かぶのは音楽。福岡出身のミュージシャンやアイドルは多く、たとえば本連載にもしばしば登場するモーニング娘。の田中れいなも福岡出身だ。
そんな福岡に、いま日本全体でも人気を集めているローカルアイドル(ロコドル)グループがある。LinQ(リンク)だ。彼女たちは、いまやヒットチャートをにぎわす常連になっている。
福岡を初めて訪ねる海外の人に、彼女たちは何を薦めるのだろうか?

LinQ瑞稀、桃咲、高木、天野、吉川
▲左から、瑞稀、桃咲、高木、天野、吉川。
LinQ秋葉原でのライブ終演後のバックステージ
▲5人での秋葉原でのライブ終演後のバックステージで。
東京にライブのために来た、LinQの天野なつ(リーダー)、高木悠未、瑞稀もえ、桃咲まゆ、吉川千愛に聞いてみた。
天野「生のお魚を食べられる方なら、お刺身を食べてほしいです。生モノが苦手な方は焼き魚でもよいのでぜひ」
高木「福岡のお刺身は最高です!」
生の魚を食べたいな。最近とみにそう思うことが多い私も非常に同感できるし、そもそも私が福岡に到着してまず思うことがそれだ。日本は多様性の国であり、そここそが日本のクリエイティブの原点であると折に触れて語ってきたが、食文化にもそのことが象徴的に表れているだろう。魚介類の豊富さ、その料理の多様性は、日本の財産であり、ユネスコに無形文化遺産として和食が登録されるにいたるまでの背景の一つでもある。
吉川「太宰府天満宮など、古くからある福岡、日本も観ていただきたいです」
桃咲「日本には東京だけでなく、地方にもアイドルがいます。福岡にもLinQだけでなく、たくさんのアイドルがいます。福岡のアイドルのライブも地元で観ていただきたいです」
地方に行って、その土地の旬な食べ物を食べ、文化に触れ、ロコドルのライブを観る。これは海外の人だけでなく、日本人にも是非薦めたいと思っていることだ。
いまやロコドルのライブを東京でも観ることができる機会は増えた。それはもちろんよいことなのだが、でも地元だからこそ見えるもの、わかることもある。アイドルのライブを観て、ご当地グルメに舌鼓をうつ。多様性の国家日本、世界でいちばんユニークな国ニッポンだからできることのひとつでもあるだろう。
LinQ吉川千愛
▲吉川千愛
LinQ瑞稀もえ
▲瑞稀もえ
LinQ高木悠未
▲高木悠未
LinQ天野なつ
▲天野なつ
LinQ桃咲まゆ
▲桃咲まゆ
天野「福岡、九州への地元愛だけはぜったいに無くしたくないです。LinQの楽曲でも、『福岡好いとぉ』『ハジメマシテ』『祭りの夜』といった福岡の名所を歌った歌が人気です。私たちの歌で、たくさんのみなさんが福岡に関心を持ってくださったらうれしいです」
世界から見れば日本は日本。日本はもっと多様性を打ち出すべきとつねに思ってきた私にとっても、ロコドルやLinQはまさに出会うべくして出会った感が強い。そんなLinQに、アイドルとはどんな存在なのか投げかけてみた。
「けっして完璧ではないことでしょうか」吉川千愛がふとつぶやいた。
そう、まさにそれこそが、日本のアイドルを世界で類をみない存在にしたと私は思うのだ。そして、そのことに気づいたからこそ、2010年までアイドルを自分に関係ない存在と勝手に思っていた私を、アイドルのライブに向かわせることになったのだ。
完璧ではない。でも、少しでも上のライブを見せようと、多くのアイドルがいかに努力しているか。そのいわば職人としてのこだわりを持ちながら、ステージを降りると一人のどこにでもいる女子に戻る。そこに世界の人たちは、日本のユニークさを感じとったのだ。
LinQ集合写真西鉄ラッピングバス
▲福岡市内。西鉄のラッピングバスをバックに。
私が愛してやまないアイドルたちのライブは一言でいえば、生もの。毎回、どこに頂点が来るかわからない。だからこそ、寿司の旬なネタに感動するように彼女たちのライブを毎回楽しむことができる。
「日本のアイドルはブログで私生活を見せるのがすごい」「日本のアイドルは売れっ子になってもセレブにならないのがうれしい」日本の当たり前は世界の当たり前ではないのだ。
LinQに、ライブでのこだわりを聞いてみた。
天野「表情や歌い方を曲に合わせて変えることです」
吉川「ライブでのあおりで、ステージのギリギリまで前に出ることです」
高木「頭を高回転させるために、自分がまず徹底的にライブを楽しんでます」
瑞稀「ファンのみなさんの顔をできるかぎり見ることです」
桃咲「自己紹介の声でいかにインパクトをだすかです」
LinQカラフルデイズ
▲メジャー第三弾シングル「カラフルデイズ」発売中。
個性もじつにさまざまだ。まさに日本そのもの。
福岡を愛してやまない彼女たちと何かしたいな。その晩、5人での秋葉原でのライブを観ながら、LinQという愛すべきアイドルたちとの未来に想いを馳せたのだった。
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執筆者:櫻井孝昌氏プロフィール 

櫻井孝昌.jpg作家、ジャーナリスト、事業企画・イベントプロデュース等の仕事とならび、世界25カ国延べ120都市以上で講演やイベント企画、ファッションショーといった「ポップカルチャー文化外交」活動を実施中。外務省委嘱のカワイイ大使プロデューサー、アニメ文化外交に関する有識者会議委員等も歴任。著書(発売順)に『アニメ文化外交』(ちくま新書)『世界カワイイ革命』(PHP新書)『日本はアニメで再興する』(アスキー新書)『ガラパゴス化のススメ』(講談社)『「捨てる」で仕事はうまくいく』(ダイヤモンド社)がある。
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