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櫻井孝昌(Takamasa Sakurai) のJAPAN! JAPAN! JAPAN!

【櫻井孝昌のJAPAN! JAPAN! JAPAN!】 第91回 日本のオタク女子たちがアニメ文化外交で切り拓く、世界をつなぐ接点!

2007年12月のチェコ、イタリアへの講演ツアーをきっかけにスタートした私の文化外交。2014年1月現在、25カ国のべ125都市でさまざまな活動を行なってきた。
アニメに関する各国での講演が私が世界を周り始めるきっかけだったことから、当初は「アニメ文化外交」と称し、外務省のアニメ文化外交に関する有識者会議委員なども務めさせてもらった。
その後、必然のように世界のなかでの日本の「カワイイ」に出会い、外務省が委嘱したカワイイ大使をプロデュースするようになったあたりから、私の文化外交活動も大きく広がるようになったが、やはりその原点はアニメにこそあると思っている。
なぜか?世界の若者が日本を知るきっかけは、アニメにあることがもっとも多いからだ。
アニメの中には、具体的な日本文化や社会、生活といったものから、そのアニメを創り出すクリエイターたちの精神まで、ありとあらゆる日本が詰め込まれている。

私がアニメ文化外交を明確に意識することになった、サウジアラビアでの講演は、2008年3月のことだった。
サウジアラビアの首都リヤドに向かう乗り継ぎ地ドバイの空港で、たった一人飛行機を待っていたのがつい昨日のことのような気もするが、あれからもう6年の年月が流れたわけだ。その後、世界に愛される日本に私同様に気づいたたくさんの仲間と出会った。そうした同志たちと海外で過ごした日々のことは、本連載でもしばしば取り上げてきたとおりだ。
今回紹介するA応P(アニメ応援プロジェクト)は、つい最近出会ったばかりの新たな仲間である。
テレビや雑誌、イベントなどで、愛するアニメを「好きだ!」と声高にPRしていく6人。その活動は世界のイベントにも及んでいる。そう、彼女たちの活動はアニメ文化外交の精神そのものなのだ。

ジャパン・エキスポでのA応P

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昨年のパリ、ジャパン・エキスポに参加したときのことを、メンバーの荻野沙織、清水川沙季はこう振り返る。
清水川「私の場合、海外に行くこと自体が、ジャパン・エキスポが初めてだったんです。言葉のこととかいろいろ不安だったのですが、会場は日本のアニメイベントと雰囲気がまったくいっしょ。フランスに行った気がしませんでした(笑)」
荻野「ジャパン・エキスポでは日本人アーティストのみなさんのライブもいろいろ観させていただきましたが、観客のみなさんの盛り上がりぶりが日本といっしょなことに感動しました。サイリウムを持っている方もたくさんいましたし」
清水川「私たちのステージにも、たくさんのフランス人のみなさんが集まってくださいました。みなさん日本語が上手で、『アニメを観て勉強した』などと言われるとアニメファンとして本当に嬉しくなります」
荻野「私たちのステージは企業の出展ブースのなかにあるオープンな場所だったのですが、アニソンを歌いだすとたくさん集まってくるんです。アニソンは世界共通で愛されているんだなと実感できました」
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▲『A応P』メンバーの清水川沙季
海外で活動をして改めて、日本やアニメに関して思ったことはあるだろうか?
荻野「アニメがブームと言っても、まだ眉をひそめる方はいますよね。こんなに海外で愛されているのに、もったいないなと思いました」
日本のアニメオタクなら、海外のアニメイベントに行ったとき、まずそのことを思うだろう。もちろんアニメやマンガを観るのも、好きになるのも個人の自由だ。アニメ文化外交を開始したときから言い続けていることだが、私はアニメやマンガを好きになれとは一言も言っていない。ただ、アニメやマンガを愛し、それをきっかけに日本を好きになってくれた、もっと知りたいと思ってくれる若者の気持ちに少しでも寄り添ってあげてほしいと思うだけのことなのだ。そして、もうひとつ願いがある。A応Pのように、アニメ文化外交の意義を体感し、海外に日本を発信しようと思った若者の背中をそっと押してあげてほしいのだ。自分でアニメの世界をすべて理解しようとする必要はない。それは、アニメを愛してやまない彼女たちに任せておけばよい。そんな日本の若者たちの気持ちに、アニメ好きな海外の若者へと同じように寄り添ってあげる。たったこれだけのことで、日本と世界のいろいろなことが変わってくると思う。
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▲『A応P』メンバーの荻野沙織
日本の若者の留学者数の激減は国家的な問題になっている。世界を知らない若者たちばかりになっては、この国の未来に禍根を残す。そう思っているなら、国が言うところのクールジャパンの旗を、この課題にもっと向けるべきだと思う。
荻野「海外のイベントに参加することで、海外に対する考えが変わりました。もっと積極的に海外に出ていきたくなりました。私が愛してやまないアニメのおかげです。アニソンを歌うことで、国境を超えて打ち解けられることもわかりました」
清水川「もっと自信を持って日本文化を発信していくべきだと思いました。ちょっとおかしな例えかもしれませんが、寿司がなくても、アニメのせりふだけで日本についてコミュニケーションできるんですね。アニメがあれば外国に行けるし、住めるとわかりました」
アニメ文化外交を明確に意識してくれたA応Pの二人。そのために、どんな課題を持ったのだろうか。
荻野「アニメやアニソンに関して、日本でするのと同じ伝え方だけではダメだということもわかりました。いろいろな伝え方ができるよう、成長していきたいです」
清水川「アニメひとつとっても、作品によって楽しみ方はいろいろです。オタクとしてのそんな“心持ち”を世界のみなさんと共有していきたいです。アニメに出てくる日本を象徴するような場所のことも、世界のみなさんに伝えていきたいです」
A応Pがどんなふうにアニメ文化外交に向かっていくか。私の道とクロスすることも多いだろう。アニメ文化外交の新たな同志として、積極的に海外にとびたってほしいなと願う。
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▲左から荻野沙織、清水川沙季
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執筆者:櫻井孝昌氏プロフィール 

櫻井孝昌.jpg作家、ジャーナリスト、事業企画・イベントプロデュース等の仕事とならび、世界25カ国延べ120都市以上で講演やイベント企画、ファッションショーといった「ポップカルチャー文化外交」活動を実施中。外務省委嘱のカワイイ大使プロデューサー、アニメ文化外交に関する有識者会議委員等も歴任。著書(発売順)に『アニメ文化外交』(ちくま新書)『世界カワイイ革命』(PHP新書)『日本はアニメで再興する』(アスキー新書)『ガラパゴス化のススメ』(講談社)『「捨てる」で仕事はうまくいく』(ダイヤモンド社)がある。
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