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【櫻井孝昌のJAPAN! JAPAN! JAPAN!】 第95回 西洋絵画と日本絵画をめぐる縦軸と横軸とは!? 和田彩花(スマイレージ)のガチな絵画案内本発売!
「マネは私に一生の宝物をプレゼントしてくれたんです」
スマイレージのリーダー和田彩花は、自らと美術の出会いについてよくこう語る。マネが描いた「黒」の世界、そしてレンブラントが描いた「光と闇」の世界に魅せられた一人のアイドルは、その後美術史にのめりこんでいく。
スマイレージのリーダー和田彩花は、自らと美術の出会いについてよくこう語る。マネが描いた「黒」の世界、そしてレンブラントが描いた「光と闇」の世界に魅せられた一人のアイドルは、その後美術史にのめりこんでいく。
20代の編集者時代、美術案内の本を何冊か手掛けていた私にとって、和田の絵画への傾倒はプロデューサー魂に火をつけるものだった。
和田彩花著の絵画案内本を読んでみたい!
第75回 美術館に行きたくなる! 和田彩花(スマイレージ)が絵画案内に新風を吹かせている
そんなふうにプロデュースすることになった、和田彩花初の美術関連本『乙女の絵画案内』が3月15日PHP新書から発売された。
絵の中に女性が登場する20の絵画とその画家について、和田が自分の考えや絵の見方を紹介していく本だ。
マネ『鉄道』/ベラスケス『ラス・メニーナス』/ドガ『ダンス教室』/カサット『青いひじかけ椅子に座る少女』/ボッティチェリ『春』/『麻布著色吉祥天像』/ルブラン『バラをもつマリー・アントワネット』/フラゴナール『ぶらんこ』/レンブラント『夜警』/フェルメール『手紙を書く女』/アングル『泉』/クリムト『接吻』/ミュシャ『四芸術』/スーラ『グランド・ジャット島の日曜日の午後』/モネ『舟遊び』/ルノワール『陽光のなかの裸婦』/モリゾ『ソファーに座る二人の姉妹』/菱川師宣『見返り美人図』/黒田清輝『湖畔』/小林かいち『二号街の女』
和田が選んだ絵画はじつに多彩。いっけんバラバラのようだが、本を読んでもらうとわかるとおり、西洋・日本絵画の歴史、そして日本美術と西洋美術のつながりが縦軸と横軸が交差するようにつながっていく。
和田彩花著の絵画案内本を読んでみたい!
第75回 美術館に行きたくなる! 和田彩花(スマイレージ)が絵画案内に新風を吹かせている
そんなふうにプロデュースすることになった、和田彩花初の美術関連本『乙女の絵画案内』が3月15日PHP新書から発売された。
絵の中に女性が登場する20の絵画とその画家について、和田が自分の考えや絵の見方を紹介していく本だ。
マネ『鉄道』/ベラスケス『ラス・メニーナス』/ドガ『ダンス教室』/カサット『青いひじかけ椅子に座る少女』/ボッティチェリ『春』/『麻布著色吉祥天像』/ルブラン『バラをもつマリー・アントワネット』/フラゴナール『ぶらんこ』/レンブラント『夜警』/フェルメール『手紙を書く女』/アングル『泉』/クリムト『接吻』/ミュシャ『四芸術』/スーラ『グランド・ジャット島の日曜日の午後』/モネ『舟遊び』/ルノワール『陽光のなかの裸婦』/モリゾ『ソファーに座る二人の姉妹』/菱川師宣『見返り美人図』/黒田清輝『湖畔』/小林かいち『二号街の女』
和田が選んだ絵画はじつに多彩。いっけんバラバラのようだが、本を読んでもらうとわかるとおり、西洋・日本絵画の歴史、そして日本美術と西洋美術のつながりが縦軸と横軸が交差するようにつながっていく。

「私にとっては、この本を作ることを通して『日本』を改めて発見できたことがうれしかったです。西洋美術史は大きくいえば印象派以前と以後に分けることができると思うんですが、その印象派に大きな影響を与えたのは日本の浮世絵だったわけです。浮世絵をていねいに観ていくと、日本人がいかに繊細か、オリジナルな表現力を持っていたかがよくわかります。江戸時代の日本は当時世界最大の芸術大国だったのではないでしょうか? だって、印象派の画家たちがショックを受けた浮世絵が、蕎麦1杯程度の価格で江戸の町では売買されていたんです。日本の存在自体がすごいと思いました」

少年時代を欧米の音楽や映画で育った私は、どうしても文化に関して日本を低くみてしまう傾向が自分のなかにかつてあった。和田はどうなのだろうか?
「私もそうでした。西洋の美術に夢中になった当初は、絵といえば西洋のものにかぎるとさえ思っていたんです。いまでは西洋美術も日本美術も同じぐらい大切な存在ですし、もっと他の国々の美術も知りたいと思えるようになりました」
美術における日本と世界の接点をも解き明かす和田の『乙女の絵画案内』。日本における洋画の原点ともいえる、黒田清輝の「湖畔」の解説には悩みぬいたという。
「浮世絵のように二次元的に絵を描くことに卓越していた日本人が、なぜ印象派が描くような作品を描く必要があったのか、絵のなぞ解きのように湖畔にたたずむ浴衣の女性を描いたこの絵を観続けました」
和田が導いた答えは、ぜひ『乙女の絵画案内』で読んでほしい。

▲本のあとがきは、和田の自筆が印刷されている
「私もそうでした。西洋の美術に夢中になった当初は、絵といえば西洋のものにかぎるとさえ思っていたんです。いまでは西洋美術も日本美術も同じぐらい大切な存在ですし、もっと他の国々の美術も知りたいと思えるようになりました」
美術における日本と世界の接点をも解き明かす和田の『乙女の絵画案内』。日本における洋画の原点ともいえる、黒田清輝の「湖畔」の解説には悩みぬいたという。
「浮世絵のように二次元的に絵を描くことに卓越していた日本人が、なぜ印象派が描くような作品を描く必要があったのか、絵のなぞ解きのように湖畔にたたずむ浴衣の女性を描いたこの絵を観続けました」
和田が導いた答えは、ぜひ『乙女の絵画案内』で読んでほしい。

和田にとって美術や絵画はいまどんな存在になったのだろうか?
「美術や絵画は私にとって生きていくために必要なものです。それがなくても生きていけるとは、もう考えられません。美術は、人の心さえもよい方向に導いてくれると思うんです。もっとたくさんの人に絵画と友だちになってもらえたらなと思っています。スマイレージのファンのみなさんが、『あやちょがきっかけで絵が好きになった』などと言ってくださるのをブログのコメントで読んだり、握手会などで直接聞いたりするとすごくうれしいです。その逆に絵のほうからスマイレージの私の活動に興味を持ってくれる方も増えたらいいですね」
「美術や絵画は私にとって生きていくために必要なものです。それがなくても生きていけるとは、もう考えられません。美術は、人の心さえもよい方向に導いてくれると思うんです。もっとたくさんの人に絵画と友だちになってもらえたらなと思っています。スマイレージのファンのみなさんが、『あやちょがきっかけで絵が好きになった』などと言ってくださるのをブログのコメントで読んだり、握手会などで直接聞いたりするとすごくうれしいです。その逆に絵のほうからスマイレージの私の活動に興味を持ってくれる方も増えたらいいですね」

絵画と出会って、和田と世界の距離に変化はあっただろうか。
「昔は、西洋はただすごい、手の届かない存在に思っていましたが、心の距離が絵を通してとても近づきました。私はまだ海外に行ったことがないので、その絵が描かれた場所や街を観てみたいです。そして、その国の美術館でそれらの絵を観ると、日本で観ているのとは感じ方がせんぜん違ってくるんだろうなと思います」
また美術の仕事をいっしょにしたいね。和田とは会うたびに話す。美術の世界とアイドルの世界。和田彩花のふたつの才能を私自身も楽しみに見ていきたい。
「昔は、西洋はただすごい、手の届かない存在に思っていましたが、心の距離が絵を通してとても近づきました。私はまだ海外に行ったことがないので、その絵が描かれた場所や街を観てみたいです。そして、その国の美術館でそれらの絵を観ると、日本で観ているのとは感じ方がせんぜん違ってくるんだろうなと思います」
また美術の仕事をいっしょにしたいね。和田とは会うたびに話す。美術の世界とアイドルの世界。和田彩花のふたつの才能を私自身も楽しみに見ていきたい。
スマイレージの全国ツアーも進行中



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執筆者:櫻井孝昌氏プロフィール

ツイッターでも海外情報発信中 http://twitter.com/sakuraitakamasa/
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※次回は、台湾最大の同人イベントファンシーフロンティアのレポート。
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