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櫻井孝昌(Takamasa Sakurai) のJAPAN! JAPAN! JAPAN!

【櫻井孝昌のJAPAN! JAPAN! JAPAN!】第72回 高橋愛インタビュー② 日本とタイの距離を縮めたライブ。高橋愛は何をしたのか!?

タイで、非常に人気の高いモーニング娘。の曲に「女に幸あれ」がある。

2013年9月1日、バンコク中心部セントラルワールド前広場で開催されたジャパンフェスタは、改めて「女に幸あれ」の人気ぶりを示すものだった。

15時過ぎにスタートする高橋愛のフリーライブの前、地元4チームによるモーニング娘。を中心にした楽曲のカバーダンスが披露された。カバーダンスは、とくに東南アジアで以前からとても人気がある。簡単に言えば、自分の好きなアイドルソングを、音源を流しながらグループで完コピするのだ。コスプレ人気の延長線にあるともいえるわけだが、言ってみればアイドルコスプレの極みと言えるだろう。

今回のジャパンフェスタでも、各チーム20分ほどの持ち時間で、それぞれ7~8曲が披露されたのだが、4組中3組がそのなかに「女に幸あれ」を組み込んでいた。
「メロディと衣装がタイのみなさんにささったのでしょうか」
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▲ライブ風景
高橋自身も、「女に幸あれ」の人気の高さに驚いたという。
「女に幸あれ」は、高橋がリーダーを務めたプラチナ期と言われる時期の楽曲だ。この時期の楽曲は、海外のファンにとても人気が高い。
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「正直言えば、苦しい時期でもありました。海外にはライブでしばしば出向いていましたが、日本ではテレビなどへのメディア出演がめっきり減った時期でしたし、この時期がすばらしいとは当時は思えませんでした」

社会現象だったモーニング娘。初期のすさまじい人気以降、私の視界にもモーニング娘。がまったく見えていなかった時期である。そのころモーニング娘。のライブ力に一足先に気づき、ライブに通い詰めていた友人の話を聞くと、いまではうらやましく思う。だが、当時やっている本人たちにしてみたら、先の見えない道を暗中模索しながら進んでいるようなものだったのだろう。

だが、海外のファンたちは、高橋愛率いるモーニング娘。の素晴らしさに多くの日本人より前にとうに気づいていたのだ。2008年ごろから本格的に始まった私の文化外交活動のなかでも、モーニング娘。の名前はしばしば海外の若者から出ていた。当時の私は、それを流行が遅れて伝わっているぐらいに思っていたのだが、それはまったく逆で、彼らのほうが現在を、そして未来を見ていたのである。
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近くにいると大切なものは見えない。遠い国日本を好きになってくれた世界の若者たちはそのことを改めて私に教えてくれた。
「世界のみなさんがプラチナ期の曲を愛してくれているというのは、本当にうれしいです」
高橋は、ライブの後、そう語った。

高橋のフリーライブ中盤、4組のカバーダンスチームが二組に分かれ、ステージ横に腰かけた彼女にカバーダンスを観てもらうというコーナーがあった。
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▲本人が本人の曲をカバーダンス
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一組めが選んだのは、ここでも「女に幸あれ」だった。そして、二組めは「気まぐれプリンセス」。ともにプラチナ期の楽曲である。2曲め、高橋も身体がうずいたのだろう。立ちあがって「気まぐれプリンセス」を踊り始めた。会場もカバーダンスチームも思わぬ展開にボルテージがあがる。さらに終盤、彼らが高橋を招き入れると、彼女は自ら踊りの中心へと入っていった。アーティスト自身とファンによるカバーダンス。両者の嬉しそうな顔、観客の興奮ぶりを見ながら、私自身も感無量だった。

カバーダンスチームやバンコクのファンがどれだけ高橋愛を待っていたか私は知っている。その想いをこめて、彼らはいつもカバーダンスをしているのだが、その中心に本人がいるのだ。彼ら自身、夢にも思っていなかった出来事だったろう。
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▲ライブ終盤、全員でステージに
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ライブの終盤は、カバーダンスチーム約30名を従えて、高橋が「LOVEマシーン」と、プラチナ期楽曲の「みかん」を披露した。
「ダンスチームとのからみは、全てノーリハーサルです。ステージ前方に全員で乗り出していったのも、アイコンタクトだけで、後はあうんの呼吸でした」完ぺきなコラボだった。どれだけモーニング娘。の楽曲を彼らが愛しているか、知っているか一目瞭然な光景でもあった。
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ジャパンフェスタでの高橋愛ライブは誰でも観ることができた。モーニング娘。の大ファンだけでなく、彼女たちのことをまったく知らない人もいただろう。だが、確実に言えることは、高橋愛がそこにいたすべての人の心をつかんだということだ。

ジャパンフェスタという、異国での日本を中心にしたイベントで、これ以上の成功があるだろうか。
「愛ちゃんすごい。そして、優しい!! 櫻井さんがなぜ愛ちゃんのことを大好きなのか、ほんとうによくわかりました」

昨年のモーニング娘。握手会以来のタイの友人女子がしみじみと話してくれた。タイのファンのほとんどは、生身の高橋愛を観るのは、今回が初めてである。
高橋愛が行きたかった、そしてファンも待ち焦がれたタイの地で、両者のこれ以上ない幸せな邂逅のひとときに立ち会えたことを、日本人としてとても嬉しく思った。日本とタイの距離が、そこにいたすべての人にとってぐっと近づいたことが間違いないからだ。
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執筆者:櫻井孝昌氏プロフィール 

櫻井孝昌.jpg作家、ジャーナリスト、事業企画・イベントプロデュース等の仕事とならび、世界24カ国延べ120都市以上で講演やイベント企画、ファッションショーといった「ポップカルチャー文化外交」活動を実施中。外務省委嘱のカワイイ大使プロデューサー、アニメ文化外交に関する有識者会議委員等も歴任。著書(発売順)に『アニメ文化外交』(ちくま新書)『世界カワイイ革命』(PHP新書)『日本はアニメで再興する』(アスキー新書)『ガラパゴス化のススメ』(講談社)『「捨てる」で仕事はうまくいく』(ダイヤモンド社)がある。
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