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アイドル特集~オタク編~(2/2)
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ヲタクの生きがい、支援活動について
一人前のヲタクとして優越感を得るためには、そのアイドルの知識・情報はより細かな部分まで知っておかないといけません。そのためにはテレビ・ラジオを代表とするメディア・チェックは必須です。昔のアイドル情報は、その他あまり情報源がないので、あとはひたすら支援活動で、有線放送やラジオやテレビ番組へ曲のリクエストを行うなど地道な支援活動を続けていました。

以前は脚光を浴びていた日本レコード大賞など歌うアイドルにとっては、人気のバロメーターともなり、輝かしい勲章となるためヲタクのチカラも入ると言うモノです。現在は本人ブログやツイッターなどを使って、よりレアな情報を収集することでファンの濃さをアピールしています。ファンによるブログや2チャンネルなどにファン同士がコメントを書き込み合いながら熱くなってしまうこともあります。また、コンサートや握手会などのイベント会場にグッズコレクションを持ち込み、自分のヲタク度合いをチラつかせることが一つのステータスのようです。もちろん、そのファンアピール度をご贔屓のアイドル本人に触れて頂いたら、こんな嬉しい事はないようで、まさしく“ヲタク冥利に尽きる!”なのです。
アイドルに対するヲタクの思いが日本の経済を動かしている
「未完成アイドルを立派なアイドルに育てたい!」というアイドルヲタクの心理が、「アイドルの力になりたい」という思いを募らせ、その思いが支援活動となりセールスへとかなりの影響を与えます。(AKB48の総選挙で投票券につぎ込まれた金額は、なんと上位40人を合わせると17億3,000万円にもなったそうです。)最終的には、その支援活動によって大きなアイドルマーケットを誕生させています。そう考えると、何もかも捨ててアイドルに没頭できるヲタクは、ファンの鏡なのかもしれません。

ちなみに6000億円と言われているアイドル市場のうち、ヲタクの市場はわずか550億円ほど。つまり、多くはヲタク予備軍やファンレベルの消費者たちなのですが、その市場規模は約10倍にまで膨らんでいると言われています。そのことを考えると相当数のヲタク予備軍が存在していることが分かります。例えば、仮に10年後に巨大アイドルが誕生したとしても、今若いヲタク予備軍たちが一皮むけたヲタクに成長していると考えると、受け皿は完璧です。もちろん、同時に中高年の層も確実に増やしていく図式になっています。衰退しないアイドル業界は、ヲタクによる勝手な妄想によって、支えられていると言っても過言じゃないですね。
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