「鼓動」2010年1月26日
Graduation

韓国の釜山市の路上で突然話しかけてきたパク君。6年前の思いがけない出会いだった。釜山の大学生だったパク君は、親切にも港街の喧噪の中を目的地まで連れて行ってくれた。
礼を言う私に彼は、待ってるから、と流暢な英語で応えた。用向きを終え、喫茶店で話し込んだ。彼にとっては初めて話す日本人だった。微妙な話題にも忌憚なく意見を言う彼に、眩しいほど韓国の若者のたくましさを感じたものだ。
帰国後、数回のメールのやり取りがあり、もうすぐ卒業だ、とのメールを最後に、連絡は途絶えた。
彼に訊き忘れたことがある。なぜ、あの時、外見は韓国人と同じに見える私に英語で話しかけてきたのか。
笑顔で、暇だったからと答えそうだが、異国で出会った若者に何かを訊き忘れた私は、今もって、彼との出会いから卒業できないでいる。(O)
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