「鼓動」2010年2月1日
香炉峰の雪

遺愛寺の鐘は枕を欹(そばだ)てて聴き
香炉峰の雪は簾を撥(かか)げて看る
中唐の詩人白居易のこの詩は日本にも早く伝わり平安文学に影響を与えた。
中宮定子に「香炉峰の雪はどう?」と謎を掛けられた清少納言。才気煥発な彼女は、簾をするすると巻き上げて庭の雪を御覧に入れる。
晩年の白居易は詩と酒と琴を三友とする生活を送ったらしいのだが、この詩が作られたのは官吏としての左遷時代の江州(江西省)で詠まれている。
今年の元旦福岡市でも粉雪が舞った。西にそびえる脊振山には冠雪が見られ美しかった。山頂の脊振神社上宮がある。古くは最澄や空海などが渡唐の際祈願したことで知られる。
最澄も空海も、白居易と同時代の人物である。(IK)
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