「鼓動」2010年2月20日
Follow me.

飛行機を滑走路へ誘導する車両には、「Follow me」と大書されていた。
大きな飛行機に、地面に張り付いたチッポケな車が「ついておいで」と指示する洒落心に感心したものだ。
「フォローミー」という映画の話。妻の行状に不審を持つ夫は探偵を雇い、妻を尾行させるが、証拠は出ない。
尾行に気づいた妻が探偵を問い詰め、愕然となる。
次からが、この映画の核心だ。
夫が妻の後をついて街中を歩き始め、妻は振り返りながら、夫へ微笑みかける。戸惑う夫に向け、妻は「Follow me」と視線を送る。徐々に夫は妻の心の自立を理解していく。支配ではなく共存する心を。
翻って、若者文化が深く若者の間で広がると、既存文化の側は身構えるものだ。文化は人の心の表象だから、両者は本質的に同根じゃないのか。警戒心が増長させる隔絶は、双方が「Follow me」すれば融解するはず。
若者文化は常に既存文化から生まれることを知れば、容易な話だと思う。(O)
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