「鼓動」2010年3月4日
胡蝶の夢

夢と現の混じり合う世界。
どこからか蝶が一匹現れ、あなたの肩の上に止まった。蝶は肢のよじれを戻そうとするかのようにしきりにもがいていたが、やがてじっとしたままになった。蝶の目には、あなたの顔がそばに見えていた。でもあなたは蝶に気づかなかった。蝶はしばらくあなたの横顔を見ていた。そのとき急に風が流れて、蝶の羽根がくらりと揺れた。
あなたが肩に気を止めたその瞬間、蝶は視線から身をかわすように飛び立った。
昼下がり、夢から覚めて思った。
蝶は私だったのかもしれない。(IK)
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