「鼓動」2010年3月16日
The Spring Waltz

互いの空白を埋めるために、若いカップルが交際当初に訊ねる定番の質問だ。
春夏秋冬、いつでもいいのだが、今の僕は断然、春!と答える。若い時は夏の疲れを癒す秋の日差しに、詩心を刺激されてもいたが、年輪を重ねると、明るい風景に心が和む。
韓国のユン・ソクホ監督による四季四部作(秋の童話、冬のソナタ、夏の香り、春のワルツ)の最終作品である「春のワルツ」は、その映像の色彩感がいい。まるで、幼児向け絵本みたいに原色が多用されるが、これは好みの問題で、異論もあろう。
それでも、一面の菜の花の絨毯は、「春が来たぁ!」と心躍る。暖かな春の陽光を浴びて、黄色は輝き、木々の葉の淡い黄緑が目に優しい。生命の活性を登場人物たちに反映させるかのように、服は原色中心だ。
若い人向けの恋物語だが、色彩豊かな映像を見ているだけで、私のような年寄りは幸せな気持ちになり、もう少し頑張ろうとも思ったりする。色彩は人を励ます。(O)
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