「鼓動」2010年4月13日
「文化産業」大国に向けて(6)

創造力あるいは高い技術力といった企画生産、流通、販売、プロモーション、これらを分業で支えてきた文化産業の構造を把握した上で、1点目に、特にアジア市場での物価価値とどのように向き合うか、つまり、最終アウトプットで、いかに産業として成り立たせていくか。ということであろう。今後は、付加価値ビジネスとグローバル価格を持つ製品のアウトプットを実践すべきと考える。
2点目に、すでに先行したMUJIの例にあるように、日本にはクール、カワイイに代表される流行センスのいいブランドイメージを持った小売、デベロッパーが存在する。これらのプロデュース力、ノウハウを世界進出に活かし、日本ブランドをアウトプットできるよう、施策の中で後押しすべきと考える。
3点目に、コンテンツの流通が格段と進歩した現在においてもTVは依然、大きなマスメディアである。強力な惹きを持っているTVドラマコンテンツを軸に一点突破を図り、その後、派生ビジネスから類似コンテンツへという流れで、クロスメディアの効用は図り、アウトプットにつなげるべきと考える。
この10年、日本のポップカルチャーへの人気は相変わらず熱気を帯びているが、文化産業として成り立つには、アウトプットをしっかりと実感できるものにしていくことが大切である。
なお、今回、人的要素については、ほとんどふれることがなかったが、再び機会を得て、この鼓動で取り上げてみたい。(K)