「鼓動」2010年5月17日
Alive, doing nothing. No remedy, all gone.

「自由の国アメリカ」の悲劇に落ち込む国民を励ます意味で作った歌だが、テロの自由まで認めるのか、と批判された。
一方で、デヴィッド・ボウイは「Heroes」を歌い、喝さいを浴びる。非業の死を遂げた消防士たちは、Heroesだから。
でも、飛行機を操縦した側から見れば、Heroesの意味も変わってくる。楽曲の意図がどこにあろうと、世に出れば受け止め方は多様だ。
ジョン・レノンの「Imagine」は放送禁止リストにも載った。つまりは、ポップな音楽が十分市民権を得て、その影響力を社会全体が無視できなくなったということだ。
思えば、当時ニューヨークで医者をしていた米国人の友人に出した安否確認メールの返事は痛ましかった。
「無事だ、そして暇だ。治療なんかしない。皆、死んでる」
皮肉にも、911は、米国では緊急通報用電話番号だ。(O)