「鼓動」2010年6月22日
新参者

主人公の刑事、加賀恭一郎は言う、人は3つの嘘をつく。
「自分を守る嘘、他人を欺く嘘、他人をかばう嘘」
物語は人形町を舞台に、登場人物の心理(嘘)と人間模様が絡みながら、犯人の嘘へと辿り着き、最後は真実のみ写し出される。
同時に、心の楔が取れ、止まっていたものが前へ動き出すことを意味する。
誰しも嘘の一つや二つ、ついたことはあるだろう。小さい頃、嘘つきは泥棒の始まりと教わり、やがて、大人になるにつれ、嘘も方便とも学んできた。
嘘は動きを止め、真実を閉じ込めてしまう魔法のようなものだ。
私たちが取り組んでいる、若者文化はどうか。
若者文化は勢いよく前へ前へと進む。
だって、真実しか存在しない世界だから。(K)