「鼓動」2010年7月6日
シーザーサラダ

アメリカから突如押し寄せた大勢の客に出す食材が底をついたために、ホテルオーナーのシーザー・カディーニが急遽、レタス、ガーリックオイル、レモン、卵、パルメザンチーズ、ウスターソース、クルトン、胡椒などの材料を客の目の前でサッと混ぜ合わせ作った即席サラダだ。
このサラダは瞬く間に人気となって、全米、ヨーロッパに広がってゆく。
いまや、日本でも、レストランや居酒屋のみならず家庭でも人気のサラダとなっている。というわけで、7月14日その日は、シーザーサラダのサラダ記念日といえる。
「この味がいいね」と君が言ったから
7月6日はサラダ記念日 俵万智
歌人俵万智の初歌集『サラダ記念日』が出版されたのは1987年だった。
上の歌は、そのタイトルとなった歌だ。作者には歌われた内容に類似した経験は確かにあったようだが、しかし、ほめられた料理はカレー味のから揚げであり、その日は「7月6日」でもなかった。歌はなかばフィクションだった。作歌の世界では現実の経験と虚構とが重なり合う。
我が家でも、シーザーサラダはしばしば食卓に並ぶ。
とろとろのポーチド・エッグやたっぷりのパルメザンチーズを、プランターで育てたロメインレタスやルッコラなどに乗せて、その上にドレッシングをかければ簡単に出来上がる。
我が家にはこれといった「サラダ記念日」などないが、シーザーサラダへの偏愛的な食欲だけは家族に共通している。(IK)