「鼓動」2010年8月29日
若さあふれる福岡都心部

これは95年度からの05年度の10年間の地域メッシュ統計を分析整理し、20代の若年層の居住行動にスポットを当て、札幌、仙台、広島や三大都市との比較を行うことで福岡の特徴の抽出を試みたものである。
1996年度における従業者数密度が最大となる1k㎡メッシュを、各都市の「中心地」と定義し、この「中心地」から2km圏内における20代人口の10年間での増減率を見ると、東京、大阪、札幌、福岡の4都市で増加しており、若年層の都心シフトが進展している。
なかでも福岡では、同圏域の20代人口は、21%と最大の増加率を示している。
性別では男性の増加率は16.7%増に対して、女性の増加率は25.1%増である。
福岡において、20代の若年女性等を中心に居住人口の都心シフトが顕著であると指摘している。
これは、①「天神」を中心として、百貨店・専門店などの商業施設や美容院・エステなど若い女性にとって魅力的な都市機能が充実していること、②都心部での事業所集積も厚い上、サービス関連業などの若い女性等の働き場所も多いこと、③東京や大阪に比べて、安い家賃のマンションの建設も進み、「職・住・遊の近接」という潜在的なニーズが実現できるようになったためであり、若者にとって大きな魅力になっているといえよう。
魅力的な都市機能が若者を呼び、それが更なる都市機能の充実・多様化へと進展している。
レポートでは、福岡都心部を「若さあふれるスーパー・コンパクト・シティエリア」と名づけているのは、十分にうなずけるものである。(S)