「鼓動」2010年9月27日
新聞に見るインド

紙面の中で目立ったのは、インドの記事だった。
朝日新聞(9/19)7面の「ワールド経済」。見出しには、『タタ財閥 悩む代替わり』とある。世界の有力企業を相次いで買収し、今や、製鉄、自動車、電力などの分野でグループの売上高6兆円を誇るインド最大の財閥タタグループのリーダーの後継者選びに関する記事だ。
英国高級車の「ジャガー」や「ランドローバー」を買収した「タタ・モーターズ」も、さらに欧州鉄鋼メーカーを買収し粗鋼生産量では世界第7位の位置を占める「タタ・スチール」もこのタタグループの企業である。ゾロアスター教徒のタタ一族出身の現会長は72歳だが、独身で子どもはいない。グループでは8月に委員会を起ち上げ、後継者選びに着手したという。国際的巨大グループの新たなリーダーには、初の外国人登用の可能性もあるようだ。
同じく3面には、インドにおいて医療ツーリズムの受け入れが盛んであることを伝えている。
医療ツーリズムに力を入れているシンガポールやタイと比べても、医療価格は断然安い上に、医療水準も高いという。周辺諸国のみならず、英米からの手術客も多い。英語が問題なく通じるのもやはり強みのようである。
福岡市の大手病院でも、中国や韓国からの医療ツーリズムが進行しているが、まだまだ数は少ない。
インドの民間調査会社の試算では、インドの医療ツーリズムは年率27%の伸びで、2012年には、110万人が訪れ、24億ドル規模の産業になるという。
永い眠りから目を覚ましたインドの台頭。ここ数年日本の一般紙の紙面を飾ることが多くなった。(S)