「鼓動」2010年10月27日
百年企業

ともに秋のイベントの最中で、蔵を開放し、試飲や試食などを通じて、商品を紹介していた。
大賀酒造は1673年、えびす醤油は1877年創業だから、双方ともいわゆる「百年企業」であり、地元に密着し愛されている醸造メーカーである。
日本には百年以上の歴史を有する「百年企業」が多く、その多さは世界に類例がないという。
百年企業の分野は、清酒製造、清酒小売りや呉服・服地小売りなどが顕著で、なかでも清酒、しょうゆ、みそなどの発酵技術を生かした製造業が多いそうだ。
2010年9月に株式会社帝国データバンク福岡支店が発表した資料によれば、九州・沖縄には100年企業が1801社あり、このうち、3割を占める534社が福岡県の企業である。
もっとも古いのは、「平助筆復古堂(へいすけふでふっこどう)という福岡市の文房具小売の企業であり、創業は1501年だから、500歳の長寿である。
百年企業の歴史には、戦争や災害、さらには産業構造の変化や消費構造の変化の荒波があったはずだ、そうした荒波を乗り越え、消費者の信頼を勝ち得て、今日まで永続している。
こうした長寿企業に学ぶべき点はきっと多いだろう。
ちなみに、世界最古の企業は、大阪市・天王寺の建造・修復にかかわってきた「金剛組」と言われる。聖徳太子が百済から招いた宮大工の一人が創業したと伝えられ、創業1400年を超える。スゴイ長寿企業もあったものだ。(S)