1935年の創立以来、多くの人材をファッション業界に送り出してきた、香蘭ファッションデザイン専門学校が、7月11日(土)にエルガーラホール8階大ホール（福岡市天神）で、学内最大イベントである『第29回香蘭サマーファッションコンテスト』を開催しました。今年のテーマは『made in KORAN 2015』。アジアンビートではコンテスト本番を前に製作活動に没頭している学生たちの様子を取材してきましたが、ここでは125の力作が披露された本番当日の模様をお伝えします！！

見事、「香蘭ファッション大賞」に輝いたのは、ファッションデザイン専攻科3年米村茜さん。作品のテーマは『Bijou du fil(ビジュー ドゥ フィル)』。バレエ衣裳のキラキラと輝く姿を、宝石に見立てたバラと“糸の宝石”と呼ばれたレースに約1万個のビーズやスパンコール刺繍で表現しました。

今年も数多くの素晴らしい作品が発表されました。ファッションテクニカル科2年のグループ（代表：杉田好美さん）は、『POP STITCH GIRL』というテーマで、1960年代の画家、ロイ・リキテンスタインのコミック調のタッチと、大胆な色使いにより描かれた平面画の感情豊かな少女を、手刺繍でキュートなスタイルに表現しました。
ファッションデザイン専攻科3年の安部千咲さんのテーマは『Jakuchu』。伊藤若冲の「群鶏図」に憧れ、手染めしたシルクオーガンジーのつまみ細工で力強く表現しました。

続いて、教科書に載っていた偉人たちの顔に落書きをした思い出からインスピレーションを受けたファッションデザイン科2年のグループ（代表：佐藤真里江さん）の『グレートマンズ』。こちらの作品は学生人気投票（団体の部）で1位に選ばれました。染色を施した生地の上に、自分たちで描いた偉人たちを加工し、アイロンプリントで製作。毛糸やスパンコール、羊毛フェルトで装飾して落書きしたイメージを表現しました。

ここでは全て紹介できないのが残念ですが、最後に、学生人気投票1位（個人の部）に選ばれたのは、ファッションデザイン専攻科3年添島葵さん。テーマは『CAROUSEL“E L DORADO”』。1907年、ドイツのヒューゴ・ハッセによって作られた最古の回転木馬“E L DORADO”。そのメランコリックな色調と幻想的な世界観を表現しました。

『香蘭サマーファッションコンテスト』から、将来のファッション業界を担う人材が数多く輩出され、FACo(福岡アジアコレクション)の舞台でも活躍してくれる日が待ち遠しいです。（編集部:Ｙキング）