エヴァ、誕生(2/4)

ここではまず、基本のストーリー等をおさえた上で、人気の秘密を解き明す。
そしてさらに、テレビアニメ版に加え、どのような魅力が新劇場版に加わったのかまでを解説していく。
エヴァンゲリオンとは何だったのか?
エヴァンゲリオンとは、庵野秀明監督、GAINAX制作で、1995年にテレビ放送された大人気アニメである。ストーリーは、わずか14歳の少年が、父親の指揮する組織“NERF”に突然呼ばれ、人類を危機に陥れる謎の生命体“使徒”を倒すため、強制的に人型兵器“エヴァンゲリオン”のパイロットにさせられるというもの。設定に日常感はあまり感じられないが、登場人物が周囲の人と接する中で、迷い傷つき傷つけられ、それでも人と許しあい寄り添おうとする(それでもまだうまくやれない…)姿が描かれており、多くの人の共感や批判の対象になった。最終話に近づくにつれ、主人公の内面に焦点が当てられた展開になっていき、それゆえに演出

も独特なものになっていった。そうして話の全体像が不透明になっていったことで、多くの謎が残り、今も様々な解釈や憶測を呼ぶ作品でもある。十数年前の作品にも関わらず、2007年には新しい劇場版の『序』、2009年にはそれに続く『破』が発表され、興行収入やグッズの売り上げが右肩上がりに伸び続けている。そしてこの度新しく『Q』が公開される。では、そもそもエヴァがこれほどの人気を博し、人々を魅了し続けているのはなぜか?作品の魅力を要点ごとにまとめてみた。
エヴァンゲリオン人気の秘密
①当時の社会状況やそれが原因で起こる問題に敏感だったこと
エヴァンゲリオンの放送が始まった1995年には、未曽有の事件や災害が発生した年でもあった。これらの事件や災害によって、これまで人々を支えていた社会という存在の不安定さが露呈し、人々が不安を抱えるなか、エヴァンゲリオンは登場した。作品が取り扱うテーマがその時代を生きる人が抱える問題意識に刺さり、多くの人が支持するようになった。
エヴァンゲリオンの放送が始まった1995年には、未曽有の事件や災害が発生した年でもあった。これらの事件や災害によって、これまで人々を支えていた社会という存在の不安定さが露呈し、人々が不安を抱えるなか、エヴァンゲリオンは登場した。作品が取り扱うテーマがその時代を生きる人が抱える問題意識に刺さり、多くの人が支持するようになった。
②世界観、演出へのこだわり
アダム、エヴァ、使徒など旧約聖書の用語 それに関連した設定で独特の世界観を作り出すことに成功している。また、GAINAXの真骨頂でもある、キャッチーな演出のファンも多くいたはず。太字明朝の文字がバ~ンと出るようなカットが多様されたり、画面が執拗に切り替わったりする演出が当時としては斬新で、目を引いた。また、コスチュームや機体のデザインも凝っていて、ロボットアニメのなかでも群を抜いてスタイリッシュ。コスプレで非常に人気が高いのも、そのためではないだろうか。
アダム、エヴァ、使徒など旧約聖書の用語 それに関連した設定で独特の世界観を作り出すことに成功している。また、GAINAXの真骨頂でもある、キャッチーな演出のファンも多くいたはず。太字明朝の文字がバ~ンと出るようなカットが多様されたり、画面が執拗に切り替わったりする演出が当時としては斬新で、目を引いた。また、コスチュームや機体のデザインも凝っていて、ロボットアニメのなかでも群を抜いてスタイリッシュ。コスプレで非常に人気が高いのも、そのためではないだろうか。
③キャラクターやその台詞のインパクト
人の性格を“ツンデレ”と表現するのも最近ではよくある光景だろう。これも実はエヴァンゲリオンのアスカが発祥ではないかという説がある。また、“あんたバカァ~?”“逃げちゃだめだ”等、印象深いセリフが頻出なのもこの作品の特徴。これも魅力的なキャラクターが多いという証だろう。
人の性格を“ツンデレ”と表現するのも最近ではよくある光景だろう。これも実はエヴァンゲリオンのアスカが発祥ではないかという説がある。また、“あんたバカァ~?”“逃げちゃだめだ”等、印象深いセリフが頻出なのもこの作品の特徴。これも魅力的なキャラクターが多いという証だろう。
④新しいアニメ表現誕生のきっかけ
最初の劇場版上映後、ポストエヴァンゲリオンとも言うべき作品が登場した。主人公が世界存亡の鍵となる少女に盲目的に必要とされるような作品(いわゆるセカイ系と呼ばれる作品群)である。その作品群の延長線上に、ライトノベル原作の大ヒットアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』があり、その後ありふれた日常を描いた『らき☆すた』等の空気系アニメへと派生していく。
最初の劇場版上映後、ポストエヴァンゲリオンとも言うべき作品が登場した。主人公が世界存亡の鍵となる少女に盲目的に必要とされるような作品(いわゆるセカイ系と呼ばれる作品群)である。その作品群の延長線上に、ライトノベル原作の大ヒットアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』があり、その後ありふれた日常を描いた『らき☆すた』等の空気系アニメへと派生していく。
⑤“オトナがアニメを見る”がフツーに!?
放送開始当初には、アニメファンの間でこそ話題であったが、世間的にはそこまで高い評価を得ていたわけではなかったエヴァンゲリオン。爆発的ヒットのきっかけとなったのは 1997年の劇場版公開のタイミングでのTV版再放送だった。元々設定の緻密さや扱うテーマの深さゆえに、10代後半以降の層にも支持される内容だったこともあり、それが大人がテレビを観る深夜の時間に再放送されたということで、多くのファンを獲得した。それをきっかけに、深夜アニメが注目され、アニメが子供の娯楽という認識ではなく、大人も楽しめるようなものと認識されはじめた(本サイト深夜アニメ特集へはこちらから)。その意味でエヴァンゲリオンは日本のアニメ史上では大きなターニングポイントをつくったきっかけの作品ともいえる。
放送開始当初には、アニメファンの間でこそ話題であったが、世間的にはそこまで高い評価を得ていたわけではなかったエヴァンゲリオン。爆発的ヒットのきっかけとなったのは 1997年の劇場版公開のタイミングでのTV版再放送だった。元々設定の緻密さや扱うテーマの深さゆえに、10代後半以降の層にも支持される内容だったこともあり、それが大人がテレビを観る深夜の時間に再放送されたということで、多くのファンを獲得した。それをきっかけに、深夜アニメが注目され、アニメが子供の娯楽という認識ではなく、大人も楽しめるようなものと認識されはじめた(本サイト深夜アニメ特集へはこちらから)。その意味でエヴァンゲリオンは日本のアニメ史上では大きなターニングポイントをつくったきっかけの作品ともいえる。
新劇場版で、新たな魅力が加わった!

さて、このようにして、支持層を獲得してきたエヴァンゲリオン。そうはいっても90年代を代表する作品でしょ?2000年代には…と言われるかもしれないが、あなどってはいけない。テレビ版、そして最初の劇場版公開のちょうど10年後にあたる2007年に発表された『新劇場版:序』では、テレビアニメ版をベースとしながら、それを大きく超えるスピード感と迫力、映像の美しさで人々の心を掴み、それに続く『新劇場版:破』では、まさかの新キャラクター登場。テーマ性はもちろん、エンターテイメント性においても、2000年代の作品として遜色ない完成度だった。『新劇場版:序』の興行収入は20億円、『破』では40億円という記録も。
また、新劇場版公開時期に展開されたコラボ商品やグッズ展開もあり、現在までで「エヴァ市場」は推定で1500億円超とも言われている。その流れでの今回の『新劇場版:Q』公開。作品の内容ももちろん、経済効果等込みこみで、どのような展開になるのか、期待大!11月17日に公開されているので、未見の人は是非!