藤井フミヤ - 25年、15年、そしてこれから。歌の力を見つけた男は、進み続ける

25年、15年、そしてこれから。
歌の力を見つけた男は、進み続ける。
デビュー25周年、ソロ活動15周年。藤井フミヤにとって、'08年はダブル・アニヴァーサリー・イヤーとなる。ずっと第一線を歩んできた彼にとって、音楽とは?アートとは?そしてアジアとは?これまでの軌跡を振り返りながら、素直な言葉で語ってくれた。
デビュー25周年、ソロ活動15周年。藤井フミヤにとって、'08年はダブル・アニヴァーサリー・イヤーとなる。ずっと第一線を歩んできた彼にとって、音楽とは?アートとは?そしてアジアとは?これまでの軌跡を振り返りながら、素直な言葉で語ってくれた。
タイムレスな輝きを放つ、15年の軌跡
ディスク2枚で計30曲。ソロ15年間の集大成であるベスト・アルバム『15/25』には、これぞスタンダードと呼ぶにふさわしい楽曲が、ズラリと並んでいる。とりわけDISC-1は、収録曲のすべてがドラマ・CMでおなじみのタイアップ・ナンバー(!)。こうして改めて触れてみると、藤井フミヤという人が、いかに大きな足跡を残してきたのかがわかる。同時に、あるひとつの事実を再確認するのである。そう、驚くほどに“タイムレス”であるということを。
「シャッフルして聴いても、新しさとか古さがない。年代順に曲が並んでるんだけど、最後の方に『TRUE LOVE』がきても、サウンド的にはなんの違和感もない。もともと、そういうふうに作ってきたんですけどね、意識して。だから、それは成功してるんだなって思いましたね」。
1993年にリリースされた「TRUE LOVE」(テレビドラマ 「あすなろ白書」主題歌)も10年以上経った今、不変の輝きを放っているのだ。
「シャッフルして聴いても、新しさとか古さがない。年代順に曲が並んでるんだけど、最後の方に『TRUE LOVE』がきても、サウンド的にはなんの違和感もない。もともと、そういうふうに作ってきたんですけどね、意識して。だから、それは成功してるんだなって思いましたね」。
1993年にリリースされた「TRUE LOVE」(テレビドラマ 「あすなろ白書」主題歌)も10年以上経った今、不変の輝きを放っているのだ。
新しいスタートは、「なんでもよかった」
'92年、文字通り日本中を熱狂の渦に巻き込んだチェッカーズが、その歴史に幕を閉じた。フロントマンの次なる動向に誰もが視線を注ぐなか、意外にも、当時の心境はいたってフラットなものだったという。
「芸能界とかミュージシャンとか、そこに向かっていかなきゃいけないっていう気持ちはなかったんだよね。ちょっとロンドンに住んでみようか、しばらく田舎に帰ってみようか……べつに、なんでもよかった。それで、一番最初にやった仕事が個展だったんだけど、すごいたくさんのファンが見に来てくれたのを見て、これはなにかやらなきゃいけないと。俺には責任があるぞ、田舎に帰って、もつ鍋屋をやるわけにはいかないな、みたいな(笑)。歌をやらないとダメだなって」。
当時、世はカラオケ大ブームのまっただ中。メロディアスで疾走感にあふれ、なによりサビで熱唱できるか否か。そこにヒットの要因が少なからず左右されていた頃、対極に位置するシンプルな『TRUE LOVE』がミリオンを達成したのは、痛快なカウンター・パンチであった(もっとも、本人によると「無欲でしたね」ということだが)。以降の活躍ぶりは、皆さんもご存知の通りである。
「芸能界とかミュージシャンとか、そこに向かっていかなきゃいけないっていう気持ちはなかったんだよね。ちょっとロンドンに住んでみようか、しばらく田舎に帰ってみようか……べつに、なんでもよかった。それで、一番最初にやった仕事が個展だったんだけど、すごいたくさんのファンが見に来てくれたのを見て、これはなにかやらなきゃいけないと。俺には責任があるぞ、田舎に帰って、もつ鍋屋をやるわけにはいかないな、みたいな(笑)。歌をやらないとダメだなって」。
当時、世はカラオケ大ブームのまっただ中。メロディアスで疾走感にあふれ、なによりサビで熱唱できるか否か。そこにヒットの要因が少なからず左右されていた頃、対極に位置するシンプルな『TRUE LOVE』がミリオンを達成したのは、痛快なカウンター・パンチであった(もっとも、本人によると「無欲でしたね」ということだが)。以降の活躍ぶりは、皆さんもご存知の通りである。
25年かけてたどり着いた、あるひとつの答
音楽活動と平行して、アート作品の発表、俳優など、藤井フミヤはさまざまな顔を持っている。多方面で存在感を示し、“マルチな人”というイメージは深まっていった。そうした道程を経てたどり着いた、あるひとつの答があるという。
「30代は、ずっとクリエイター志望だった。レコードショップに行くよりも、本屋に行く方が多かったね。でも40代になってから、ひょっとしたら音楽が一番面白いんじゃないか?って。たとえば映画は、1時間半とか2時間かかって人を泣かせたり、感動させたりするじゃない?小説だって、長編だと1日かかるし、そうそう読み直さない。その点音楽っていうのは、3分から5分くらいで急激に人を泣かせたり、恋愛を思い出させたり。それに、何度も繰り返して聴ける。そう考えると、俺、けっこうパワー持ってんなぁみたいな(笑)。歌の力ってすごいのかもってことに、25年かかって、ようやく気づきましたね。もちろん今でもアートは好きだし、映画だって素晴らしいし、作家にもすごい憧れるし。でも、人よりすぐれてるって思えるのは歌しかないんですよ、やっぱり」。
「30代は、ずっとクリエイター志望だった。レコードショップに行くよりも、本屋に行く方が多かったね。でも40代になってから、ひょっとしたら音楽が一番面白いんじゃないか?って。たとえば映画は、1時間半とか2時間かかって人を泣かせたり、感動させたりするじゃない?小説だって、長編だと1日かかるし、そうそう読み直さない。その点音楽っていうのは、3分から5分くらいで急激に人を泣かせたり、恋愛を思い出させたり。それに、何度も繰り返して聴ける。そう考えると、俺、けっこうパワー持ってんなぁみたいな(笑)。歌の力ってすごいのかもってことに、25年かかって、ようやく気づきましたね。もちろん今でもアートは好きだし、映画だって素晴らしいし、作家にもすごい憧れるし。でも、人よりすぐれてるって思えるのは歌しかないんですよ、やっぱり」。
福岡には、ホッとするような感覚が残ってる
さて、「21世紀はアジアの時代」と言われて久しい。故郷を含め、日々変化を遂げる国々の姿は、彼の目にはどう映っているのだろうか。
「アジアはどうなっていくんだろう?って興味はあるね。文化交流はもっとフレンドリーな感じになっていくだろうし、もっとコミュニケーションできるようになっていくだろうし。でもグローバル化されすぎるとさ、つまんない部分もあるよね。どこに行っても同じモノしかないもん。どの国に行っても、同じ店しか並んでない。だから、自分たちの文化をもっと大事にしていかなきゃいけないって思う。福岡は都会なんだけど、ホッとするような感覚がまだ残ってるんだよね。そういうところが、これから大事になっていくような気がするよね」
「アジアはどうなっていくんだろう?って興味はあるね。文化交流はもっとフレンドリーな感じになっていくだろうし、もっとコミュニケーションできるようになっていくだろうし。でもグローバル化されすぎるとさ、つまんない部分もあるよね。どこに行っても同じモノしかないもん。どの国に行っても、同じ店しか並んでない。だから、自分たちの文化をもっと大事にしていかなきゃいけないって思う。福岡は都会なんだけど、ホッとするような感覚がまだ残ってるんだよね。そういうところが、これから大事になっていくような気がするよね」
“ただいま”。待望の久留米公演も実現

「ホントに“ただいま”な感じですね。久留米に帰るとね、みんな“フミヤくん”よばわりやもんね。友だちかお前は!みたいな感じがあるもんね(笑)」。
リセットとスタート。藤井フミヤのすべてが凝縮されたスペシャルな一夜を、ぜひ目撃してほしい。
藤井フミヤ
Anniversary Tour 15/25
2008.8.20(wed)19:00〜久留米市民会館
2008.8.21(thu)19:00〜久留米市民会館
2008.9.5(fri)19:00〜福岡サンパレス
2008.9.6(sat)18:00〜熊本市民会館
2008.9.7(sun)17:00〜長崎市公会堂
アニヴァーサリー・ツアーは、全日程を終了しました。

「15/25」
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