POWER OF GIRLS from TOKYO Vol.2 東佳苗（1/2）

2012.09.10

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photo＋intervew : 田口まき(MIG) / text : 夏目☆ちえ(MIG)

　合同展示会“白昼夢”は、2011年9月に原宿でスタートして以来、全国からファンを集め続け、今注目すべき新たなカルチャーを作り出している。今年秋には、第三回目の開催が予定されている。主宰の東佳苗は「白昼夢」の活動以外にも、2009年に立ち上げた自身のニットブランド“縷縷夢兎”（るるむう）のデザイナーでもある。甘く、無防備で、ゆがみ、生意気である彼女は「作品の中で尊敬すべきアーティストとコラボをする、蜷川実花さんのようになりたい」と夢にまっすぐな女の子だ。
　今回の撮影、取材は東佳苗の志願で東京・浅草で行った。当日、大きな鞄2つに沢山の洋服を詰めて、雷門横のお茶屋に現れた彼女の周りには、キラキラと未知数の夢が渦巻いているのを感じた。

東佳苗：インタビュー

●小学生の頃描いた絵

田口まき：今回は「東佳苗とはいったいどんな女の子なのか? その活動にはどんな思いが込められているのか?」をお聞きしていきたいと思います! 佳苗ちゃんが表現する世界観はいつごろから生まれたの?

東佳苗：11歳の頃です。当時、アンダーグラウンドな映像にハマり始めまして。一番影響を受けた方は、ヤンシュヴァンクマイエルさん、寺山修司さん、丸尾末広さんなど。残酷味のある衝撃が、連続して押し寄せる作品に引き込まれていきました。それに加え、セーラームーンやカードキャプターさくらなどの、美少女系アニメ・漫画も大好きで、月刊少女漫画雑誌の、りぼん、なかよし、ちゃおは、毎月買って愛読していました。

田口まき：なるほど! その当時にしていた遊びは何だった?

東佳苗：学校から帰宅すると、部屋の扉を閉めて、ずっと絵や漫画、詩を書いていました。家庭内引きこもりですね。その中で遊ぶことが日常的でした(笑)。

田口まき：どんな漫画を描いていたの?

東佳苗:ライトノベル形式の漫画を、何本か同時進行で描いていました。例えば、社長の父と、有名なフラワーコーディネイターの母を持つ、3人家族の少女のお話し。ある日父の会社が倒産し、一家で夜逃げすることから始まります。その後ある事件をきっかけに母親が自殺するなど、少女の人生はみるみる暴落していくのですが、この漫画一応ラブストーリーです。

田口まき：佳苗ちゃんの世界観は、小学生の頃から出来上がっていたのですね。それでは、ファッションの活動をはじめたきっかけは何?

東佳苗:ファッションが好きだったことはもちろんですが、18歳の頃、活動を一つに絞りたいと思ったんです。自分の世界観を表現したいっていう気持ちが前々から強くて、絵、写真、漫画、小説、ギターなど、いろいろなことに挑戦していたのですが、どれも中途半端だったので。

●高校生の時、ぬいぐるみを解体して作ったマフラー

田口まき：白昼夢を始めた理由は?

東佳苗:女の子で集まり、何か一つのものを創ることに興味が湧いたんです。私は前々から、SNSを使って自分と近い感性で面白い活動をしている女の子に連絡をして交流を広げていました。その中で、彼女たちは一人一人がみんな頑張っているけど、一人より女の子がいっぱい集まったときに出るパワーのほうが、凄い量になるなと思い始めたんです。そこで、展示会をする提案を出したんです。みんなまだ若いのでこれからという感じなので、5年後くらいにそれぞれ頭角を現していればいいなと思っています。近い未来、みんなで仕事が出来る様になっていると嬉しいです。