最近上映されたこの台湾映画は、観た人々にある興味を抱かせる。
「この映画は興行収入が『海角七號／Cape No.7』を超えると思う？」とお互い向き合って問いかける。
まだ答えは未知数だが、上映２週間目で既に２億台湾ドルを超えた勢いは、『海角七號／Cape No.7』の上映当初にない快挙だった。

右は映画のメイン・ポスター。
真ん中奥に写っているベテラン俳優・馬如龍（マー・ルーロン）は「海角七號／Cape No.7」の出演で台湾最大の映画賞・金馬賞の最優秀助演男優賞を獲得した。
「艋舺／MONGA」の中で極道のトップを演じる。

「艋舺／MONGA」で舞台になった台北市の萬華区は８０年代には商業の中心地であるとともに、各界の闇社会の熾烈な縄張り争いが絶えなかった場所でもある。
台湾初の「極道映画」と評されたこの映画は全体的にテンポが明快で、前半には笑いの要素を取り入れ、後半になると、成長しながら現実の残酷さに直面させられた主人公の物語に観客は引き込まれ泣けてくるストーリー構成になっている。
主演２人のうち１人は以前このコーナーで紹介したことがある阮経天（イーサン・ルァン）である。
彼が一昨年主演したアイドルドラマ「命中注定我愛你（邦題：ハートに命中！１００％）」は未曽有の高い視聴率をたたき出した。

もう一人の趙又廷（マーク・チャオ）は全くの新人でありながら、去年Ｆ４の周渝民（ヴィック・チョウ）と揃って「痞子英雄～Black&White～」に出演することで一躍有名になった上、周渝民を尻目にさらに金鐘獎（きんしょうしょう）の主演男優賞を獲得した。そのため二人の不仲説も一時噂になったほどだ。

（「痞子英雄」の予告ムービー）http://www.prajnaworks.com/BLACK&WHITE/index.html

五人が盟約を結ぶ儀式のシーン

この映画の監督・鈕承澤本人も子役スター出身で、ここ数年芸術的にも興行的にも優れたドラマや映画を作り出し、今回の「艋舺／MONGA」ではより一層輝かしい記録を残した。彼の今後の作品にも期待したい。