「鼓動」2010年4月10日
文化産業大国に向けて(3)

日本のファッション雑誌は、アジアの若者に大人気だが、販売価格を見ると驚かざるを得ない。例えば、アジアンビートでもお世話になっているS-Cawaii。日本の販売価格は700円前後。これが台湾では100台湾ドル(約300円)弱、タイでは75バーツ前後(約225円)で販売されている。つまり、台湾やタイの読者は半値以下で手に入れることができるのだ。
内容(コンテンツ)面において、これらCDや雑誌の海外競争力は高い反面、文化産業は生活産業であり、現地の物価水準と兼ね合いが大きいのである。そして、国内に目を向けると、CDや雑誌は著作物であり、再販売価格維持制度の対象である。
一方、大手コーヒーチェーンのスターバックス(米・シアトル)の展開には目を見張る。現地の物価水準を意識していないことはなかろうが、ほぼどこへ行っても同じ通貨レベルの価値水準で販売されている。例えば、日本で370円のカフェラテは、約4米ドル。韓国では、4,100ウォン(約4米ドル)、台湾では95台湾ドル(約3米ドル)、タイ100バーツ(約3米ドル)と、同じアメリカのコカ・コーラが、タイでは15バーツ(約45円)前後で売られているのを考えると、現地のコーヒー価格がどうであれ、本国の物価水準に近いところをぶつけていくことで市場に入っている。
現地価格からグローバル価格への転換である。(K)