「鼓動」2010年4月30日
You say yes, I say no.

これが、往年の歌手の曲になると、出会った時期によって曲の季節が決まってしまう。幸いにも、ビートルズとほぼ同世代の僕は、新曲が出れば、世界中の若者と季節を共有できた。「Hello Goodbye」は冬で、「Hey Jude」は夏だ。
若い友人は、ビートルズの歌は、すべて春だという。集中的にアルバムを聞いたのが高校1年の春休みだとか。楽曲との出会いは多様だが、曲調に季節が与える影響はあると思う。
ジャケット写真はそれを補完する。ビートルズのジャケットは意外と季節感や時代感がある。寒空の中で正面を見据える4人の表情、リトグラフのモノトーン。写真を眺めて新曲を聞くときの心象風景は、曲そのものの存在を規定していた。
彼らの曲を若者と語る時、頭の片隅に宿る違和感は払拭できない。録音は発売のずっと前で、曲は曲ですよ、と味気なく一蹴されそうだが。(O)