「鼓動」2010年5月2日
新茶

茶生産の伝播の基盤はこの広大な照葉樹林帯に求められるかもしれない。
製茶の技術や喫茶の風習は中国から伝わった。まずは、平安時代の遣唐使の僧が団茶を伝えた。団茶は蒸した茶葉を固めたもので、臼で挽いて粉末にし、煮出して飲む。鎌倉時代には禅僧の栄西(ようさい)が宋から抹茶をもたらした。そして、江戸時代、明の禅僧隠元が伝えたのが煎茶である。
晩春、茶畑で摘まれた茶の一番茶も最盛期を迎え、立夏を過ぎれば、この一番茶で作った新茶が出回ることになる。春から夏への季節の変わり目、新茶の登場は、夏の到来を伝える。
ところで、近年では、お茶はもっぱらペットボトルでいう若い人も多い。また、中国、台湾、タイあたりでもこのペットボトルの緑茶飲料が広く出回っているようだ。ただし、甘さ志向の飲料となっており、蜂蜜や砂糖が含まれているのが主流だとのことである。
お茶の飲み方も大きく変化している。(IK)