「鼓動」2010年7月21日
日本人になりそう・・・

「日本人になりそう。日本人になりそうな気がする。ほんとにそんな気がするんだ・・」。
著者のコリンさんによれば、80年代初期、イギリスで流行ったポップソングの歌詞にそんなとっぴな歌詞があるそうだ。
日本での滞在期間が長くなったコリンさんも知らず知らずのうちに、日本人の行動様式が身についてゆく。イギリスでは電車の時刻表は、あまりに実態とかけ離れたフィクションに過ぎないけど、日本では電車が90秒遅れただけで戸惑いを覚えるようになる。
日本人の癖すらも身についてゆく。
「イギリスから友人が日本にやって来ると、彼らに納豆や梅干しを食べさせてみたいという誘惑に駆られるし、彼らが燃えるごみと燃えないごみとをきちんと分別するか、小うるさく監視してしまう。」
日本人化してゆくコリンさんが、イギリスにもって帰るお土産のひとつがスルメだ。
イギリスでは味わえない食感。スルメの袋を開くと、部屋にいる人みんながしばらく、その噛みごたえを味わい、日本人のエキゾチックな「発明品」に眼を丸くする。
さらに、家の猫までスルメをやると、ほとんど酒に酔ったように大きく喉を鳴らす。
ところで、冒頭の「日本人になりそう」と歌うポップソング(タイトル不明)。
イギリスでは誰もが知っている歌のようだ。いったいどういう歌詞の内容だったのか少し気になるところである。(HR)