「鼓動」2010年11月21日
新聞大国ニッポン

アジアに目を向けてみれば、香港が589.6部、シンガポールが439・4部、韓国が406.2部となっていて、比較的高い数字が並び、人口が多く国土の広い中国(112.2部)やインド(32.1部)では、新聞は行き渡っていない状況だ。
そんな新聞大国日本でも、近年新聞を読まなくなっている人が増えていると言われる。一般紙、スポーツ紙合わせての発行部数(朝夕刊セットを1部として計算)を世帯数で割ると1999年に、1.15部だったものが、10年後の2009年には0.95部となっており、数字の上でも発行部数の減少が見て取れる。ただ、この要因が、直ちにインターネットなど他の情報媒体の浸透と連動していると言い切れるのかどうかはよくわからない。
グローバリゼーションが進展する中、大手新聞の紙面も次第に変わりつつある。海外の動向を取材し、より充実した読み応えのある記事も増えているのも確かだが、その一方で、地域の文化面などは縮小し、東京中心の記事になっている傾向も否めない。広告収入の落ち込みや販売部数の減少で、新聞社の組織体制の再編が行われ、それが結局、紙面構成にも影響していると感じてしまう。
毎朝、我が家には午前4時前には届けられる新聞。もはや習い性で、日曜日でさえ起きるとまずは朝刊を読みだすのが日課となっている。コーヒーを淹れるのは一通り新聞を読んでからだ。この順番、なかなか変えられそうにない。(S)